リー・セルビー(イギリス)VSエリック・ハンター(アメリカ)
IBF世界フェザー級タイトルマッチ(2016年4月9日)
(出典:WOWOW)
これだけ解説者にぼろくそに言われる試合もないでしょうね。
ジョー・小泉さんは「ハンターは名前負けです。アメリカから何しに来たのでしょう。こんな程度でスピードがあるとはとても言えません。」
浜田剛史さんは「セルビーは一発パンチはないですね。とにかく頑張って勝ってきただけです。」
セルビーは23戦22勝8KO1敗、29歳。
エリック・ハンターは24戦21勝11KO3敗、29歳。IBFフェザー級3位。
長身のセルビーは一見アウトボクシングが得意そうに見えますが、意外とファーターです。豊富な手数で前に出てプレッシャーをかけます。そして、背の低い方のハンターが下がる、という展開です。
ハンターが良かったのは2回にダウンを奪った左フックカウンターだけです。
(ハンターが良かったのはこのパンチだけ)
ハンターは3回からカウンターを狙いすぎて、手数が激減します。
セルビーは多彩なパンチで前に出ます。とにかく手数が多い。
しかしパンチは手打ちで、ナックルが返っていないパンチも多く、握りも浅いので相手にダメージを与えることはありません。
とにかく手数でポイントを稼ぐだけです。攻撃に見るべきスキルもなく、ガードも甘いのですが、それをとにかく手数でカバーしています。
ハンターは、せっかく奪ったダウンもその後の消極的なボクシングで帳消し。後半からはガードも甘くなり、再三セルビーの右ストレートを被弾するようになります。
(クリーンヒットしていますが、手打ちなのでハンターにダメージはありません)
8回にはローブローでハンターが減点を取られました。
(ベルトラインですがちょっと低いか)
(このボディブローを最初から打てばいいのに)
このあたりでハンターの気持ちが折れたような気がします。
中途半端なボクシングを展開し、最後まで見せ場を作ることが出来ませんでした。ホントにアメリカから何しにやってきたのでしょうね。
もっとも、セルビーは手数を出して前にでるだけでしたが。
まれにみる凡戦でした。
3-0(115-111、116-110、116-110)でセルビーの判定勝ち。
セルビーは、パンチ力はないし、スピードもないし、ディフェンスは甘いし、とても強いとは思えないのですが、予想以上にやりにくいのでしょうね。
次は天笠尚に勝ったジョシュ・ウォーリントンと対戦するはずです。
イギリス人対決で盛り上がるのでしょうが、試合内容は凡戦必至ですね。