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ルイス・オルティス(キューバ)VSトニー・トンプソン(アメリカ)
ヘビー級12回戦(2016年3月5日)
(出典:WOWOW)
本来はWBA暫定ヘビー級タイトルマッチの予定でしたが、挑戦者のトンプソンがランク15位から外れてしまい、ノンタイトル戦となってしまいました。(直近の戦績が5戦して3敗ではね~)
オルティスが36歳、トンプソンは44歳、二人合わせてちょうど80歳の高齢者対決。見どころは…?
試合直前のいつもの浜田剛史さんのコメントは「オルティス、圧倒的に有利です」。
えっ!1ラウンドで終わり?
リング上で対峙した二人を見たら、どちらが勝つかは一目瞭然でした。あとは、オルティスの豪快なKOシーンをいつ見られるかだけが焦点の対戦です。
そして早くも1ラウンドにそのシーンがやってきました。
攻め込んだオルティスのパンチを、頭を下げて避けるトンプソンのテンプルに左フックが決まり、あっさりダウン。その倒れ方を見て「決まった」と思いましたが、カウント9で立ってきました。
まだたっぷり時間がありましたので、この回で決まると思いましたが、意外にしぶといトンプソンはオルティスの攻撃を「のらりくらり」とかわし、1ラウンドKO負けを免れました。
(ダメージの深そうな倒れ方をしましたが、回復は早かったトンプソン)
攻めあぐねるオルティス
早い回で倒すかに思えたオルティスですが、トンプソンは柔らかい体でダメージを殺し、しかも懐が深く「のらりくらり」とボクシングをするので、なかなか攻め切れません。
トンプソンの「のらりくらり」戦法を持て余し、3ラウンドもこのまま終わるかと思えた刹那。終了のゴングが鳴ると同時にオルティスの左ストレートがトンプソンのテンプルにヒットし、2度目のダウンを奪いました。
(3ラウンド終了のゴングと同時に放った左ストレート)
しかし、冷静に立ってきたトンプソンは、4ラウンド以降も何事もなかったかのように、「のらりくらり」戦法を展開します。
しかも、時折、左ストレートのカウンターを結構いいタイミングで狙ってきます。本当につかみどころのない選手です。
最後は左フックカウンター
オルティスの打ち終わりを狙うだけの消極的なトンプソンが、5ラウンドあたりから時折、先に手を出すようになります。
自分のパンチが当たり出したトンプソンは、少し調子に乗りすぎましたね。
そして、6ラウンド、そのトンプソンの不用意に出した右パンチに合わせて、オルティスの左フックがカウンターでヒット。さすがにこれは効きましたね。
下がるだけのボクシングでは勝てませんから、トンプソンとしてはこれは仕方がないところです。
6ラウンドKOで結局オルティスの「圧勝」に終わりました。
WBAヘビー級トーナメント
(出典:WBA)
WBAのヘビー級トーナメントによると、次はアレキサンドル・ウスティノフ(ロシア)との対戦が義務図けられています。
そして、タイソン・フューリーとウラジミール・クリチコの勝者と対戦して一応、トーナメントの決勝となるのでしょうか。
正規王者のルスラン・チャガエフはルーカス・ブラウンにTKO負けしましたが、ブラウンが薬物疑惑でタイトルを剥奪されましたので、こちら側のトーナメントではこの勝者と対戦する予定だったフリス・オケンドだけが残った形になっています。
まあ、わけのわからない王者を乱立させてきたWBAが、ようやくチャンピオンを一人に絞る方向に動き出しました。
どこまでやれるのか?「お手並み拝見と行きましょうか」