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カール・フランプトン(イギリス)VSノニト・ドネア(フィリピン)
WBO世界フェザー級暫定王座決定戦(2018年4月21日)
(出典:WOWOW)
フランプトンは、25戦24勝14KO1敗、31歳。WBO3位。
唯一の1敗は、レオ・サンタクルスとの第2戦で、判定負したものです。
ドネアは、42戦38勝24KO4敗、35歳。WBO7位。
ジェシー・マグダレノに判定負けしてWBO世界S・バンタム級タイトルの防衛に失敗して、再びフェザー級に階級を上げ、WBOのシルバー王座を獲得しています。
本来、この試合はWBOの挑戦者決定戦として行われる予定でしたが、王者のオスカル・バルデスの負傷により、暫定王座決定戦に格上げされました。
バルデスが負傷した試合 ↓
こんな試合は中止すべきです。オスカル・バルデスは顎を骨折しながら、3キロも重い相手に最後まで戦い4度目の防衛成功 VSスコット・クイッグ
ドネアらしさは初回だけ
初回の動きはいつものドネアらしいもので、軽快なステップでフランプトンにプレッシャーをかけていました。
ただ、お腹周りはやや緩い感じで、2ラウンドに入ると、早くもフランプトンの動きについていけず、3ラウンドには完全にフランプトンにペースを握られます。
ドネアは手数が少なく、時折放つパンチも大振りで、プランプトンに見切られていました。
その後も、フランプトンが回転の速いパンチでペースを支配し、ドネアは思うように動けないもどかしさが募るばかり。
力でねじ伏せていたころのパワーは影を潜め、回を追うごとに手数も減っていきます。
フランプトンが右手を痛めた?
8ラウンドまで、フランプトンの一方的な展開で試合が進んでいましたが、9ラウンドあたりから少し手数が減り、下がりながらドネアの攻撃を捌くようになります。
解説の西岡利晃さんが「フランプトンは右手を痛めたかもしれないですね」。
フランプトンは試合後に「バルデス戦を考え、終盤は危険を避けた」と話しています。
11ラウンドにドネアらしさを見せるが
11ラウンド残り30秒辺りで、ようやくドネアの左フックがボディにヒットし、左フックがフランプトンの顎をとらえました。
フランプトンの腰が少し落ちたような感じで、ドネアが畳みかけますが、追いきれませんでした。
この30秒間だけ、ドネアらしいパワフルなボクシングを披露しました。
最終ラウンドもドネアが最後の力を振り絞って攻勢に出ますが、フランプトンは落ち着いてこれを捌き、終了のゴングを聞きます。
判定は3-0(三者とも117-111)でフランプトンの完勝。
「フィリピ―ノフラッシュ」ドネアにはやはりフェザー級は重いのかもしれません。それにしてもこの日のドネアは別人のように動きが悪く、パワーもありませんでした。
ボクシングマガジンには、「落日の影濃く」と書かれていましたが、こんなドネアは見たくありませんね。
とはいえ、ドネアは、WBSS(ワールドボクシングスーパーシリーズ)のバンタム級に出場するという噂があります。
果たして、バンタム級の身体を作れるのか、疑問ですね。
参考(バンタム級リミット、53,52キロ・フェザー級リミット、57,15キロ)