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村田のアメリカデビューは不完全燃焼
スーパーミドル級(73・4キロ以下)契約10回戦(2015年11月7日)
村田諒太(29)VSガナー・ジャクソン(29・ニュージーランド)
(出典:カンテレ)
まず驚いたのは客席がガラガラだったことです。
アメリカのボクシングファンは、前座にはほとんど興味がないんですね。
そういえば、フロイド・メイウェザーの試合でもセミファイナルぐらいまで、ほとんど客席に人がいませんでした。
私には、村田にとって一番厳しい洗礼だったように思います。
ラスベガスでは、金メダリストもただの前座のボクサーの一人、人気も知名度も全くありませんでした。
(出典:カンテレ、会場がガラガラ、リングサイドもほとんど人がいません)
左ボディはいいのだけど
この日の村田はなんだか動きが悪く、ミドル級リミット(72.57キロ)を1キロ弱上回る、Sミドル級のキャッチウエイトであることも影響してるのでしょうか。
体が重いような感じでしたね。
左ボディは相変わらずうまいのだけど、ジャブにもスピードがなく、右フックはややオープン気味で、効果が半減しているようでした。
いつもよりスピードがない分、焦って打つからナックルがきれいに返らないのでしょう。
(出典:カンテレ)
危険のない相手だけど、とにかくやりにくい
ガナー・ジャクソンは細かいパンチをコツコツ当ててきますが、威力はなくただ手数が多いだけです。
ラスベガスではボディはあまりポイントに反映しないと聞いたことがあります。
97ー93をつけたジャッジは、村田のボディブローより、ジャクソン小さなアッパーを評価したのでしょうか。
村田のパンチで顔面にクリーンヒットするのは時折打つジャブ(スピードがないのを自覚しているのか、ジャブが少ない)くらいで、右パンチはほとんどクリーンヒットしません。
頭を低くしてパンチを避け、打ち下ろしの右も柔らかい体でうまくダメージを殺していました。
ミドル級で戦うには、「相手のパンチをまともにもらわないこと」だということがよくわかりました。
結局見せ場も山場もなし
とにかく攻め手を欠いて、まさに「手を焼いている」ラウンドが続きます。
5ラウンドは確実に相手に取られましたね。(私がジャクソンにポイント与えたのはこのラウンドだけです)
6回から攻勢に出ますが、完全に攻めあぐねて、8ラウンドは村田の顔に疲労感が漂っていました。
前に出て攻めるもののいかんせん手数が少なく、接近すると相手はクリンチがうまく、村田のボクシングをさせてくれません。
凡戦のまま10回終了のゴングを聞きました。
危ない場面は全くありませんでしたが、このボクシングではラスベガスのボクシングファンにはなにもアピールすることはできなかったでしょう。
もっとも、アピールしようにも観客がいませんでしたけどね。
来年もアメリカで試合をするようですが、ミドル級だからといって、何もアメリカでやる必要はないと思います。
まず、一番残念なのが、生放送で村田の試合を見ることができないことです。
帝拳ジムなら、日本で十分マッチメイクができると思います。
日本で試合をしましょうよ!