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WOWOWエキサイトマッチ観戦記・42
NABF北米ライト級タイトルマッチ(2015年6月20日)
ディエリー・ジャン(カナダ)VSジェリー・ベルモンテ(アメリカ)
チャンピオンのジャンは28戦28勝20KO1敗。26歳でIBF10位、WBOで11位にランクされています。
ベルモンテは25戦19勝5KO6敗ですが、デビューから17連勝を飾っている元ホープです。30歳。最近対戦相手のレベルが上がり、負けが混んでいますが戦績以上の実力者です。
■世界戦経験者同士の対戦
ベルモンテが戦績上の実力者と申し上げたのは、世界戦を経験しているからです。対戦相手は現在WBCのライト級休養王者のオマール・フィゲロアです。
フィゲロアと言えば、日本の荒川仁人をボコボコにして圧勝した実力者。このフィゲロアとライト級のタイトルを争い、ベルモンテは2対1のスプリットデシジョンで惜敗しました。
ゲストの村田諒太は「私はベルメンテが勝ったと思いました」と言うほど微妙な試合だったようです。(それにしても村田さん、ほんとにいろんな試合見てますね)
一方のチャンピオンはレイモンド・ピーターソンの持つIBFSライト級タイトルに挑戦し判定負けしています。ピーターソンもトップレベルのスキルを持った強豪です。
ジャンはこの後、ライト級に階級を下げて世界を狙っています。
■2ラウンドにダウン
ジャンが2ラウンドにオーバーハンドの右フックをテンプルにひっかけて、ベルモンテが思わず手を着くダウンを奪いました。私にはスリップに見え、ダメージがあるとは思えませんでしたが、解説の浜田剛史さんは3ラウンド以降も「ダウンのダメージが残っていますね」としきりに言っていましたね。
「浜田さん!ここは意見が合いません」
私は、ここはどうしても譲れませんね~。ほとんどダメージはありません。スリップと言ってもいいほどです。
■ジャンがベルモンテのパンチを見切る
ここで言う「見切ると」は、パンチをもらっても効かないよ、という意味です。だからでしょうか、ジャンは結構不用意にベルモンテのパンチをもらっていました。
5ラウンドからは相手のパンチを無視して、完全にジャンがペースを握り、試合は一方的な展開になりました。
9回にはジャンが猛ラッシュをかけましたが、ベルモンテは意外にパンチを殺すのが上手くまともにパンチをもらいません。ジャンも軽い小さなパンチは当たるのですが、パワーパンチは力みすぎるのかスピード感がある割にヒットしません。
■ジャンの実力?
ジャンは結局パワーヒットをことごとく殺され、2回以降はダウンすら奪えず、大差の判定勝ちで終わりました。私の採点は7ポイント差です。
ベルモンテは負け癖が付いてしまっているので、勝つ姿勢に乏しい感じがありますが、防御感はなかなかのレベルで、ジャンが倒せなかったのも仕方がないかもしれません。
しかし、ジャンには…世界は無理ですね。
ひょっとするとWOWOWでその雄姿を見るのもこれが最後かもしれません。
カナダで地味に頑張ってください。