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マーク・マグサヨ(フィリピン)VSクリス・アバロス(アメリカ)
WBOインターナショナルフェザー級王座決定戦(2016年4月23日)
(出典:WOWOW)
マグサヨはフィリピン期待のホープです。
13戦全勝10KO、20歳。現在、IBFユースフェザー級チャンピオンでもあります。
さて、パッキャオやドネアのようなスターになれるでしょうか。とりあえず「マグサヨ」という名前はちょっと言いにくね。
アバロスは日本の石本康隆にTKO勝ちし、WBA世界Sバンタム級王者のカール・フランプトンに挑戦しましたが、TKOで敗れています。
元世界1位、30戦26勝19KO4敗、26歳。マグサヨにとっては過去最強の相手でしょう。
マグサヨが3回にダウンを奪われる
マグサヨは右構え。左フックが速くて、思い切って振ってきます。
2ラウンドにこの大振りのパンチがアバロス顔面にヒットし、アバロスはダウン寸前に陥ります。マグサヨがもう少しコンパクトにパンチを放てば、アバロスはストップされていたかもしれません。
しかしこの強振でマグサヨがスタミナきれになり、終盤は逆にアバロスが盛り返しました。
失速しガードが甘くなったマグサヨに、アバロスの右フックが2発ヒットし、マグサヨがまさかのダウンを喫しました。
さすが、石原にTKO勝ちしただけの実力はありますね。
立ち上がったマグサヨも応戦しますが、パンチが大振りでスタミナをロスするばかり。一方のアバロスも攻撃が雑で詰め切れませんでした。
大ピンチを脱したマグサヨですが、相変わらずガードが甘く、アバロスのパンチを不要にもらう場面が目立ちます。
マグサヨが逆転TKO勝ち
5ラウンドに、ようやく持ち直してきたマグサヨの左フックが、アバロスの顎をとらえました。これはかなりダメージがありました。
問題はこの後のマグサヨの詰めです。相変わらず大振りのパンチを繰り返し、あわやストップかというところまで追いつめますが、結局この回も仕留めることが出来ませんでした。
さすがにダメージの深いアバロスは、マグサヨの右フックをまともにもらい、ロープに後退してマグサヨの連打を浴びて、ようやくレフリーが止めに入りました。
ジョー小泉さんが「このガードじゃ世界チャンピオンにはなれません」と厳しいコメント。
でもマグサヨの素質はかなり高いと思います。問題は「指導者」ではないでしょうか。
チャンスでの畳みかけで、もっとコンパクトで正確なパンチが打てればこの試合は2ラウンドで終わっていました。これでディフェンスがよくなればかなり怖い存在になると思います。
とにかくこの勝利でWBOのランキングに顔を出してくるでしょう。
ポール・フレミング(オーストラリア)VSミゲール・アルヘン・ゴンザレス(メキシコ)
WBC米大陸Sフェザー級王座決定戦(2016年4月23日)
(出典:WOWOW)
ポール・フレミングもオーストラリアのホープです。
21戦全勝14KO,28歳、サウスポーです。
ミゲール・アンヘル・ゴンザレスは我々の知っているゴンザレスとは別人です。
30戦22勝12KO7敗1分、27歳。こちらは右構えです。
試合のピークは1ラウンドのダウン
ホープのフレミングが、いきなりゴンザレスの右ストレートをテンプルに浴びてダウンしてしまいました。
タイミングでダウンしたような感じでしたね。ダメージはほとんどなさそうでした。
2ラウンドには硬さのほぐれてきたフレミングがペースを取り戻し、前に出てプレッシャーをかけるゴンザレスをうまくさばき、ポイントをゲットしていきます。
ゴンザレスはとにかく単発で、手数の多いフレミングにポイントが流れていきます。
同じような退屈なラウンドが続き、ぼやっとしていたら、最終回まで退屈な展開が続きました。
結局、最初のダウン以外は盛り上がりの欠ける試合で勝負は判定決着に。
私の採点は5ポイント差でフレミングでしたが、公式ジャッジも同じような採点でした。
このオーストラリアのホープはパンチ力がなく、連打も中途半端で、決め手に欠きます。絶対世界チャンピオンにはなれないでしょう。