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ゲイリー・ラッセル(アメリカ)VSジェセフ・ディアス(アメリカ)
WBC世界フェザー級タイトルマッチ(2018年5月19日)
(出典:WOWOW)
ラッセルは、29戦28勝17KO1敗、29歳。これが3度目の防衛戦となります。
唯一の1敗の相手は、あのワシル・ロマチェンコですから、これは仕方がないですね。
4年前の2014年6月、WBO世界フェザー級王座決定戦を行い、なんと2-0の接戦で判定負けしています。
しかし、試合内容はロマチェンコの完勝でしたね。ラッセルが完全にスピード負けしていました。
この試合で、ロマチェンコはわずかプロ3戦目で、初の世界タイトルを獲得しています。
ディアスは、26戦全勝14KO、25歳。WBC1位。
両者ともサウスポーです。
スピードVSパワー
ハンドスピードではラッセルですが、前に出るパワーはディアスです。
ラッセルは速い右ジャブを放ちます。ディアスは高いガードでじわじわと距離を縮めます。
2ラウンド序盤は、ラッセルが回転の速い連打で、ディアスを圧倒します。
しかし、ディアスは接近してボディブローを放ちます。ラウンド終盤は、ディアスのパワーにややラッセルが押され気味になります。
ラッセルは必死にジャブで距離を取ろうとしますが、ディアスはお構いなしに前に出てプレッシャーをかけます。
手数ではラッセルですが、なんとなくディアスが押しているように見えます。
ディアスがパワーで押す
ラッセルは、声を出してパンチを出します。このあたりに何か必死さがうかがえますね。
それでも、ディアスの前進を止めることが出来ません。ディアスの重そうなボディブローがラッセルをとらえます。
クリーンヒットの数はラッセルですが、いかにもパンチが軽い感じです。
ディアスは被弾しながらも、ガンガン前に出てプレッシャーをかけます。ただ、前に出るものの、先にパンチを放つのはラッセルです。
ただ、手数では圧倒していますが、ラッセルに余裕は感じられませんし、むしろ試合の流れはディアスに傾いているように見えます。
決め手に欠くディアス
ディアスは前に出てプレッシャーをかけますが、距離を詰めるまでは手が出ず、ボディブロー以外は効果的なパンチがあまりありません。
これだけパワーでラッセルを押しているのに、ラッセルにダメージを与えることが出来ません。
結局、ラッセルの軽いながらも速いパンチが、ポイントを拾っていきます。
ディアスが前に出て、ラッセルが軽いパンチで接近を阻止していましたが、8ラウンドあたりから、ラッセルがうまく距離を取って試合をコントロールし始めます。
しかし、その後も、スリリングな場面は全くなく、退屈なラウンドが続きます。
ディアスはラッセルの速いパンチに翻弄され、回を追うごとに手数が減ります。
ほぼ同じ展開で、最終ラウンドを迎え、ディアスが最後の力を振り絞ってラッセルを追いつめますが、時すでに遅し。
判定は3-0(115-113,117,111,117-111)でラッセルが3度目の防衛に成功しました。
思った以上に差がついていましたね。私は115-113ぐらいが妥当だと思います。
愛読書「ボクシングマガジン誌」では、ラッセルをほめちぎっていましたが、私はラッセルはもうピークを過ぎたような気がします。
WBC2位のマーク・マグサヨなら、面白い試合になると思いますよ。
マグサヨ ↓
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日本期待の清水聡は、ラッセルのスピードについていけないような気がしますね。
負けたディアスもまだ25歳ですから、自慢のパワーで、再度世界戦線に復帰してくると思います。