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アドニス・スティーブンソン(カナダ)VSバドゥ・ジャック(スウェーデン)
WBC世界ライトヘビー級タイトルマッチ(2018年5月19日)
(出典:WOWOW)
スティーブンソンは、30戦29勝24KO1敗、40歳のサウスポー。
2013年にチャド・ドーソンから奪ったタイトルの、9度目の防衛戦となります。
ジャックは、24戦22勝13KO1敗2分け、34歳。WBC2位。
暫定王者のドミトリー・ビボルとの対戦を避け、WBAタイトルを返上しています。
前半の消極的なジャックに救われる
スティーブンソンの左を警戒して、前半のジャックはあまりにも消極的でした。
スティーブンソンもそれほど手数が多いとはいえませんが、とりあえず前に出てプレッシャーをかけていたというだけで、ほぼ互角のラウンドのポイントを前半で稼いだように思います。
このポイントは、スティーブンソンにとっては大きかったですね。
5ラウンドにようやくスティーブンソンらしい攻撃が見られ、その勢いは6ラウンドも続きましたが、ラウンド終盤にジャックの右カウンターをもらい、失速します。
後半はスタミナ切れのスティーブンソン
7ラウンドからジャックの反撃が始まりました。
距離をつかんだジャックの右が、再三スティーブンソンの顎をとらえます。
9ラウンドまでは、ほぼジャックの一方的な展開で、スタミナ切れの40歳はダウン寸前まで追い込まれる窮地に陥ります。
ジャックの勝利が濃厚と思われた10ラウンドに、スティーブンソンの起死回生の左ストレートがジャックのボディをとらえます。
これはかなり効いたようですね。ジャックは、11ラウンドには逆にダウン寸前まで追い込まれます。
しかし、スティーブンソンの猛攻もここまで。ラウンド後半にガス欠。今度は、ジャックの反撃によれよれ状態に追い込まれます。
最終ラウンドもジャックのコンパクトなパンチにさらされ、またもや窮地に追い込まれます。
必死にしがみつき、ジャックの攻撃を最小限にとどめたスティーブンスに、救いのゴングが鳴らされました。
最後の見た目は、完全にジャックの勝利と思われましたが、序盤のジャックの消極的なボクシングがスティーブンスに味方して、0-1(114-114、113-115、114-114)の判定で、辛くも引き分けで9度目の防衛に成功しました。
浜田さんが「左さえ当たれば」のスティーブンソンは、まさにその通りの展開となりましたが、この日はジャックのうまさが目立ちましたね。
しかし、ライトヘビー級戦線は、新勢力の台頭で、この二人はやや影が薄くなってきた感じがありますね。
IBF王者のアルツール・ベテルビエフ、WBA王者のドミトリー・ビボル、そして、いまだ健在のWBO王者セルゲイ・コバレフ。
恐らくこの三強には、二人とも太刀打ちできないでしょう。
さらにスティーブンスには、WBC暫定王者のオレクサンダー・クボジークという難関が待ち受けています。