個性豊かなボクシング解説者のお話
ボクシング番組の重要なキーパーソンは解説者でしょう。実況アナウンサーだけだと寂しいし、また、解説者がぼんくらだと番組の面白さが半減します。
往年のボクシングファンならもう絶対「郡司さんの採点表」でしょうね。
昔の(4~50年ぐらい前)ボクシングの解説は郡司さんしかいなかったような気がします。
昔は5点法だったので、実況アナウンサーはマイラウンド終了後「郡司さんの採点表、5対5のイーブンです」とか言ってたのをよく口真似したものです。
郡司さんはなぜかボディーが言えてなくて、私には「ポテー」て聞こえました。
野球でも昔の人はファールのことをハールて言ってましたからね。ご愛嬌です。
今はWOWOWのエキサイトマッチぐらいしか、解説者が採点したりしませんね。
採点基準が難しくなって、正しい採点をできる解説者がいなくなったのしょう。ボクシング放送が少なくなって、経験の少ない素人みたいな解説者が多くなったこも要因の一つかもしれません。
10点法で各ラウンドどちらかに優劣をつけることを奨励されていますから、微妙なラウンドの採点はたしかに難しいですね。
この方式を10ポイントマストシステムと誤解されている方がいますが、10ポイントマストシステムは「必ずどちらかに10点をつけなければいけない」ということですから、10対10でもいいわけです。ただ、各ラウンドどちらかに優劣をつけることを奨励されているだけです。
WOWOWのエキサイトマッチには名物解説者が二人います。一人は、ジョー小泉さん。ボクシングの生き字引みたいな人です。もう一人は浜田剛さん。元世界チャンピオンで帝拳ジムの代表です。
ジョーさんはジョーク小泉と改名してもいいぐらいダジャレ好きで、最近はそのコーナーがなくなりましたが、以前は番組の最後は必ずジョーさんのダジャレで締めくくる、というのがエキサイトマッチのお決まりでした。
一方、浜田さんは実に真面目な方で、絶対に冗談を言いません。でも、試合中に「ナイスボディー!」は必ず言いますね。どんな局面でも話の腰を折ってでも、ボディーブローが決まると絶対「ナイスボディー!」。時には自分の話の腰を折ってでも、これだけは絶対に逃しません。ボディーブローが決まって「ナイスボディー!」を言わなかったことはほとんど記憶にありません。
この「ナイスボディー!」は後輩の解説者に継承されているみたいです。不思議ですね。
セレス小林さんなんかはもう浜田さんをしのぐほど「ナイスボディー!」を連呼します。
西岡さんも「ナイスボディー!」が好きですね。きれいに決まったボディーブローは逃しません。
ちなみに、浜田さんはKOのことを、ナッカートと言います。
これは誰も真似しませんね。