印象に残っているボクサー・その4:柴田国明

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◆柴田国明

 

スピードは図抜けていたように思います。彼の場合は辰吉さんや西城さんみたいに体型に恵まれていませんでしたが、その分、スピードとパンチ力で補っていました。
KO率は50%ほどでしたが、パンチ力が強いというイメージは残っていますね。

 

◆強敵、ハーバード康

 

東洋タイトルに挑戦するまでは無敗だったと記憶しています。
そして初タイトル挑戦が東洋フェザー級王座。当時のチャンピオンが無類のハードヒッター、ハーバード康(韓国)です。いや~強かったですね。
この頃はまだ、ボクシング人気が今よりありましたから、毎週、10時ごろからボクシング放送がありました。

そして柴田さんはその常連。彼のノンタイトルの10回戦をずっと見ていました。連戦連勝、KOの山を築いていましたが、「強いけど、彼は世界に通用するのだろうか?」などと思った記憶があります。

この頃はそうそう簡単に世界ランクには入れませんでした。勝ち続けていれば自然と世界ランクの入るという訳ではありません。強い相手、つまり世界ランカーに勝たなければなりません。しかも今と違って世界ランキングは10位までしかありませんでしたから、尚更難しいわけです。
結果、ハーバード康の強烈なボディブローに沈みました。(1969年1月)

 

◆メキシコで世界奪取

 

挫折から再起し、まずは日本タイトルを手に入れました。
そして、西城さんに続き、海外で世界タイトルに挑戦し、みごとKO勝ちでWBC世界フェザー級タイトルを獲得し、日本人ファンを「あっ」と言わせました。しかも、当時最強のチャンピオンと言われたビセンテ・サルディバル(メキシコ)から奪ったのですから驚きです。(1970年12月)
もちろんこれはテレビ放映がありませんから、翌日新聞で知りました。
このころから世界のレベルが一気に上がってきたような気がします。
この1年後に西城さんは世界タイトルを失いました。

 

◆うたれ弱い

 

柴田さんの最大のウイークポイントは打たれ弱さです。負けるときは必ずKO負けだったと思います。それも、一度ダウンするともう立ち上がったりしません。本当にあきらめが早いというか、あっさり負けます。
勝つときは本当に強い!勝ち方をするのに、負けるときは別人のようにあっさり倒されてしまいます。
そして、強い相手に結構勝っています。
彼が勝った、ベン・ビラフロアやリカルド・アルレドンド(浜田剛史さんが1ラウンドKO勝ちでタイトルを奪った、レネ・アルレドンドの兄)は世界的にも一流のボクサーでしたね。

最近、微妙な判定で物議をかもすことがよくありますが、柴田さんに限ってはそんなことは無縁だったと思います。そういう意味では素晴らしいボクサーと言えるでしょう。 

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