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エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)VSファン・ミゲール・エロルデ(フィリピン)

WBO世界S・バンタム級タイトルマッチ(2019年9月14日)
ナバレッテは、29戦28勝24KO1敗、24歳。
アイザック・ドグボエに判定勝ちして、タイトルを獲得。再戦でも12RTKOで初防衛に成功しています。
そして、8月17日に、フランシスコ・デバカとの2度目の防衛戦でKO勝ちしてから、まだ1か月も立っていません。とんでもないスケジュールですね。
エロルデは、29戦28勝15KO1敗、32歳。WBO2位。
元世界王者のフラッシュ・エロルデの孫ですよ。懐かしい名前ですね。沼田義明さんとの激戦を思い出します。
今年の3月に、川島翔平に判定勝ちして、WBOアジアパシフィック王座の4度目の防衛に成功しています。
試合経過)

1R)ナバレッテの長いジャブ
エロルデが左ジャブを突いて、前に出ます。ナバレッテは下がりながら、長い左ジャブで突き放します。身長もですが、リーチの差がかなりありますね。ナバレッテは柔らかく体を使って、かなりリラックスしている感じです。
2R)徐々にエンジンがかかってきたナバレッテ
エロルデが強引に前に出てパンチを放ちます。ナバレッテがガードを高くしてこれを捌き、体を入れ替えて、左フックをボディにヒット。今度はナバレッテが前に出ます。ナバレッテは、左ジャブを突きながら、右ストレートのタイミングを計っています。
そして、徐々にナバレッテが前に出て、左右のフックを強めに放ってきました。ナバレッテは頻繁にスイッチしながら、ボディアッパー、大きなフックを打ち込んできます。エロルデも、初回こそ巧みなディフェンスでナバレッテのパンチを外していましたが、この回に入ってから、少しずつパンチをもらうようになっています。
3R)終盤にナバレッテがダウンを奪う
エロルデは何とかペースを取り戻そうと、積極的に打って出ます。ナバレッテは柔らかいでフェンスでこれを捌き、時折スイッチします。そして、長いジャブでエロルデを突き放し、右ストレートを打ち込みます。接近してもナバレッテは体の使い方がうまいですね。
残り1分、ナバレッテのワンツーがきれいにヒットしました。エロルデは防戦一方になってきた感じです。
そして、終盤、ナバレッテの大きな左フックがエロルデの顎をとらえ、エロルデがロープに腰を落とします。


レフリーはダウンと判断し、カウントします。ここはゴングに救われました。


4R)最後は右フック
エロルデが最後の力を振り絞って攻勢をかけますが、ナバレッテに軽く受け流されます。そして、ロープに詰まったエロルデに、ナバレッテの強烈な右フックがカウンター気味にヒットすると、足をばたつかせたエロルデを見て、レフリーがすぐに試合をストップしました。


S・バンタム級最強
WBC王者のレイ・バルガスは、試合巧者で勝つボクシングをしますが、強さは感じません。もし、井上尚弥が階級を上げたら、このエマヌエル・ナバレッテの方が、怖い相手でしょうね。
現在のS・バンタム級では間違いなく最強でしょう。レイ・バルガスと対戦しても、簡単に勝てるとは思いませんが、なんだかかみ合わない気がします。むしろ、ギジェルモ・リゴンドーとやる方が、文句なく面白いと思います。