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ミシェル・ソロ(フランス)VSアンダーソン・プレストット(フランス)
S・ウェルター級12回戦(2019年7月20日)
ソロは、36戦33勝23KO2敗1分け、31歳。WBAゴールドS・ウェルター級王者
還暦を過ぎた方なら 、ソロと言えば「0011ナポレオン・ソロ」を思い出しませんか。「わしボク」は毎週欠かさず見ていました。相棒のイリア・クレアキン役のデビッド・マッカラムは、海外ドラマのNCISで「ダッキー」としてまだ活躍していますね。
閑話休題(それはさておき)。2017年にWBAタイトルに挑戦し、ブライアン・カスターニョに判定負けしています。2018年、村田諒太に挑戦し、TKO負けしたエマヌエーレ・ブランダムラには2015年にKO勝ちしています。WBAのゴールドは、暫定王座という感じでしょうか。よくわかりませんが、ソロが世界ランキングに名前がないのは、そのためかもしれません。
プレストットは、24戦23勝12KO1敗、WBC地中海ミドル級王者。
ソロと正規王座の決定戦を行うはずだった、マゴメド・クルバノフ(ロシア)の代役で、ゴールドタイトルをかけて戦うことになりました。
試合経過)
1R)ソロが終盤に不用意にパンチをもらう
ソロが速いワンツーを放って前に出ます。世界的には全く無名ですが、なかなかきびきびした動きで、パンチにもスピードがあります。プレストットは、素晴らしい戦績ですが、動きは鈍く手数も少ないですね。
しかし、ラウンド終盤に強引に前に出て、右ストレートをヒットし、ソロが大きく体勢を崩しました。なかなか、荒っぽいボクシングをしますね。
2R)荒っぽいプレストット
ブレストットが本領を発揮して、左右のパンチを振ってきます。しかし、ソロは冷静に対処し、左ジャブを突いてプッシャーをかけます。接近するとブレストットも上下にパンチを返してきて、時折、ソロが不用意にアッパーをもらっています。的確にパンチをヒットしているのはソロですが、ブレストットも大振りのパンチを振りまわしてきます。終盤はソロのパンチが、効果的にヒットしました。ソロは、ちょっとテレンス・クロフォードに似ていますね。
3R)ソロがペースをつかむ
プレストットはもう息があがっている感じですね。
ソロがジャブを突いて前に出ますが、時折、プレストットが腕をたたんで、鋭角にアッパーカットを放ってきます。しかし、ソロは左ジャブを上下について、プレッシャーをかけ、前に出ます。プレストットのアッパーも読めてきたようです。ボディへのジャブから上にパンチを返し、ペースをつかみます。
バッティングによるプレストットのカットで、試合が中断した直後に、ソロの腰の入った右フックがプレストットの顎をとらえます。
プレストットは一瞬動きが止まり、ロープまで下がります。ここからソロが連打を浴びせますが、もみ合いで体勢を崩したソロに、プレストットはのしかかるようにして、ソロの追撃を逃れます。
4R)プレストットはやや失速気味
ソロが左ジャブを突いて、ぐいぐい前に出てプレッシャーをかけます。左ジャブは的確にプレストットの顎をとらえていますね。中盤は、ソロがプレストットをロープに詰め、上下に連打を浴びせます。プレストットはロープにもたれて、かなり消耗している感じです。返すパンチにも威力がありません。ソロは上下にコツコツとパンチをヒットし、プレストットを追いつめます。
5R)一方的に攻めるソロ
プレストットが最後の力を振り絞って、パンチを放ってきます。ソロはこれを冷静に受け流し、大振りのパンチを外して、秀逸の左ボディブローをヒット。そして、ソロがコンパクトなパンチで、プレストットを追いつめます。プレストットも必死で応戦しますが、大振りのパンチはすべてガードの上です。
ラウンド終盤、ソロがコーナーに詰めて上下に連打を浴びせ、ととどめの右フックがプレストットの顎を打ち抜き、こらえきれずにプレストットがダウンします。
レフリーのカウント途中でタオルが投入され、試合終了。
ソロが、5RTKOでWBAゴールドタイトルを防衛しました。次は、マゴメド・クルバノフとWBA正規王座をかけて戦うことになるのでしょう。クロフォードに一瞬似てると思いましたが、ディフェンスやパンチ力はかなり劣りますね。