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カルロス・カニサレス(ベネズエラ)VS木村翔(青木)


WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ(2019年5月26日)IN中国
カニサレスは、22戦21勝17KO1分け、26歳。
唯一の引き分けは、2016年に田口良一の持つWBA世界ライトフライ級に挑戦した時のものです。2018年に小西伶弥と王座決定戦を行い、判定でタイトルを獲得しています。今回が2度目の防衛戦となります。
木村は、22戦18勝11KO2敗2分け、30歳。WBA2位。
1階級下げて、世界に挑戦します。中国では2戦して負けなしですが、やはり1階級落としてのいきなり世界戦は、かなり厳しい試合になると思います。
前進あるのみの木村だが
木村が積極的に前に出てプレッシャーをかけます。カニサレスは足を使って応戦します。先にパンチを打つのはカニサレスで、木村はやや後手を踏んでいます。パンチの精度もチャンピオンですね。序盤の木村はまだ、距離が合っていない感じです。カニサレスはフットワークを使いながら、上下にパンチを打ち分けます。木村はボディブローを狙っています。
木村は強引に前に出て、パンチを放ちますが、なかなかカニサレスの速い動きについていけません。木村のボディブローもヒットしますが、手数、パンチの正確性ではカニサレスが上です。
4ラウンドあたりから、木村らしいボクシングで、チャンピオンを追いつめますが、カニサレスも思い切りのいいカウンターを放ってきます。木村に、1階級下げた影響はほとんど感じませんね。
中盤からようやく木村らしさが
中盤は同じような展開が続きます。前に出るが手が出ない木村、フットワークを使い下がりながらパンチを放つカニサレス。6ラウンド終盤に、カニサレスのカウンターがヒットし、木村の動きが一瞬止まります。
7ラウンドには、木村のボディブローが完全に読まれて、カニサレスのカウンターが強めにヒットし出します。しかし、8ラウンドは木村が盛り返します。残念なのは、ボディーブローに固執して、上下の打ち分けがないことですね。
終盤になってカニサレスが倒しに来た
木村は、終盤になっても前に出てパンチを放ちますが、打ち終わりにカニサレスにパンチを返されます。木村のボディもかなり効果的ですが、カニサレスの手数が上回ります。
10ラウンドは、カニサレスの強いパンチがかなりヒットし、木村が下がるシーンもあり、さすがの木村も疲れが見え始めます。終盤は、カニサレスが足を止めて、強いパンチを放つようになります。木村の攻撃の手が止まると、カニサレスが前に出てパンチを放ちます。明らかに倒しに来ていますね。それでも木村は最後まで前に出てパンチを振り回します。素晴らしいファイトです。しかし、ボクシングスキルは、カニサレスが一枚上手でした。
判定は、3-0(119-109,119-109、118-110)の大差で、木村はタイトル奪取に失敗しました。