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ドミトリー・ビボル(ロシア)VSサリバン・バレラ(キューバ)
WBA世界ライトヘビー級タイトルマッチ(2018年3月3日)
(出典:WOWOW)
全くこの試合とは関係ありませんが、尾川堅一の薬物疑惑の裁定が決まりましたね。
まさか、無効試合になるとは思いませんでしたから、IBFの厳しい裁定に驚いています。
さて、本題に戻りましょう。
ビボルは、12戦全勝10KO、27歳。ボクシングマガジン「イチオシ」のライジングスターとして、3月号にインタビュー記事が掲載されていました。
183㎝とライトヘビー級としてはやや小柄でですが、フィジカルパワーは結構あるようです。
バレラは22戦21勝14KO1敗、36歳。WBA1位。
唯一の1敗は、2年前にアンドレ・ウォードに判定負けしたものです。その後4連勝して指名挑戦権を手に入れました。
ビボルにとっては、最大の難敵と言われています。
スピードVSパワー
183㎝のビボルに対して、バレラは188㎝あり、かなり大きく見えます。
しかし、リーチが約10㎝も長いバレラの左ジャブより、ビボルの左ジャブの方が先にヒットします。
左ジャブから右ストレート。非常に単調な攻撃パターンですが、パンチのスピードとステップの速さがそれを十分カバーしていました。
前に出てプレッシャーをかけるのは、ビボルですが、バレラが打ってくれば素早くステップバックして、長いパンチを空転させます。
距離の取り方が抜群に上手いですね。
八方ふさがりのバレラ
ペースを取り戻そうとして強引に打って出ると、ビボルの右カウンターが待っています。下がると速いワンツーが飛んできます。
4ラウンドにビボルの左フックで大きくバランスを崩し、ダメージを被ってから、バレラの動きが悪くなり、中盤からは「なすすべなし」の一方的展開になります。
しかし、バレラのパワーを警戒し、一気に倒しには行きません。このあたりは、ムラト・ガシエフに似ていますね。
バレラもパンチがヒットした瞬間に、ヘッドスリップして、ダメージを殺していました。
それでも8ラウンド終盤に連打を放ち、見せ場を作ります。
ビボルは残り時間を確認しながら、ボクシングを組み立てている感じですね。
最終ラウンドにきっちり倒す
終盤の3ラウンド(9~11)は足を使って、少しスタミナを温存していた感じです。
そして、最終ラウンドに一気に爆発。
この回は序盤からかなり強めにパンチを放ってきて、明らかに倒しに来た感じです。
そして、1分過ぎに強烈な左ジャブで後退させ、狙いすましたワンツーを叩き込みバレラからダウンを奪いました。
(左ジャブというより左ストレート。これはかなりダメージがあったと思います)
(見事なワンツー。右ストレートはまさに叩き込んだ感じです)
バレラはもう精根尽き果てた感じで倒れました。
何とか立ってきましたが、レフリーが試合をストップしました。
TKOで4度目の防衛に成功しました。
最後にきっちり倒した辺りは、スーパースター候補ですね。人気が出そうな選手です。
それにしてもライトヘビー級のロシア人は強豪ぞろいです。
WBOのセルゲイ・コバレフ、IBFのアルツール・ベテルビエフ。
しかし、ひょっとしたらこのビボルが一番かもしれませんね。まだ、27歳。これからさらに強くなるともいますよ。