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セルゲイ・コバレフ(ロシア)VSイゴール・ミカールキン(ロシア)
WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ(2018年3月3日)
(出典:WOWOW)
コバレフは、34戦31勝27KO2敗1分け、34歳。
アンドレ・ウォードに連敗しましたが、ウォードが引退して返上したタイトルを、昨年11月に獲得しています。
ミカールキンは、22戦21勝9KO1敗、32歳のサウスポー。WBO4位。
このミカールキンはアマチュア時代に、あのアルツール・ベテルビエフに3度も勝っています。
ちなみに、コバレフはアマチュア時代には、ベテルビエフに負けています。
10年も前の話なので、この記録からミカールキンの実力を図るのは難しいですね。
スキルの差が歴然
コバレフがサウスポーに対して、どう対処するのかが注目されましたが、1ラウンドを終了した時点で、全く苦にした様子はありませんでした。
すでに右の距離はあっています。
前に出るのはミカールキンですが、コバレフは下がりながら左ジャブを的確にヒットし、2ラウンドには早くもペースをつかんだ感じです。
3ラウンドに、流れを変えたいミカールキンが、少し強引に打って出ますが、右のカウンターをヒットさせ、スキルの違いを見せ付けます。
アマチュアで240戦のキャリアがあるミカールキンですが、それにしてはテクニックは今一つですね。
中盤から一方的な展開に
ミカールキンが前に出て左を強引に打ち込むと、コバレフの右のカウンターが待っています。待っていると、左ジャブが容赦なく飛んできます。
ミカールキンのパンチを見切ったコバレフは、コンパクトなパンチを上下に打ち分け、完全にミカールキンを圧倒します。
倒すのも時間の問題、と思いましたが、コバレフには、いつものパワフルな攻撃が見られません。
5ラウンドにミカールキンの足が揃ったところへ、コバレフの右ストレートがタイミングよく決まり、ミカールキンが大きくバランスを崩し、ロープに飛ばされます。
(それほど強いパンチではありませんが、足が揃ったところへタイミングよくヒット)
バランスを崩した割には、それほどダメージがあるようには見えませんでした。
解説の浜田剛史さんは「効いてますよ」と言っていましたけどね。
コバレフの切り裂きパンチ
圧巻だったのは、6ラウンドに放ったコバレフの右ストレートです。
ラウンド終了後にスロー再生されたビデオを見ると、この右ストレートでミカールキンの右目の下を切り裂いていました。
(この右ストレートでミカールキンの右目の下をカット)
7ラウンドの開始のゴングの後、カットした傷のドクターチェックがあり、試合が再開されました。
もう後がないミカールキンは、勝負に出た感じです。
強引に打って出ますが、打ち終わりにコバレフのパンチがヒットし、傷口はさらに広がります。
そして、再びレフリーが試合をとめ、ドクターチェックを要請し、レフリーが試合をストップしました。
(再度のドクターチェックでレフリーが試合をストップ)
この日のコバレフは、豪快さよりもスキルの違いを見せ付けた試合でした。
当て勘、スピード、距離の支配、ディフェンス、すべてにおいて格が違いましたね。
バドゥ・ジャックがアドニス・スティーブンソンに勝ってタイトルを獲得した場合、ジャックとの対戦を希望しているようです。
不思議な話ですね。勝った方とやればいいのに。
注目のドミトリー・ビボルとの対戦は来年になるようですが、早くやらないとビボルはまだまだ強くなっていきますよ。