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187.このチャンピオンは強いわ!
IBF世界Sバンタム級タイトルマッチ(2005年7月18日)
カール・フランプトン(イギリス)VSアレハンドロ・ゴンザレス・ジュニア(メキシコ)
20戦20勝14ko 28戦25勝15ko1敗2分
(出典:WOWOW)
(出典:WOWOW)
(出典:WOWOW)
これがアメリカでデビューとなるフランプトンにとんでもない洗礼が待っていまし
た!
(出典:WOWOW)
■大変だ!チャンピオン
なんといきなり1ラウンドからチャンピオンのフランプトンが2度もダウンを奪われました。敵地アメリカでこのスタートを切ったら、普通の王者はもう終わってしまうでしょうね。
でも、解説の西岡利晃さんはジョニゴンにダウンを奪われながら、きっちりkoで仕留めたんですからさすがですね。
でも普通の日本人なら自分を見失ってしまうでしょうね。おそらくそれはイギリス人でも同じだと思います。
ところがところがフランプトンは違いました。
■自分の距離で戦うフランプトン
幸い、1ラウンドのダメージはなく、フランプトンはいつもの調子を取り戻し、前に出てプレッシャーをかけます。
フランプトンは日本人体型でリーチも短いのですが、自分の距離をしっかりキープし的確なジャブをびしびし決め、ペースを取り戻そうと手数を増やします。
それでも3ラウンドまで、「ぼやっ」と見てたら、フランプトン危ないのと違うか?という展開です。
ゴンザレスはさすが「アレハンド・ゴンザレス」の息子。パンチの角度いいし、威力もありそうです。特にボディブローは上手い。さすがメキシカンです。
■体幹が違う
西岡さんが「踏み込んでも顔が前に出ない」のと、「パンチをもらわず自分のジャブだけを当て右からの返しも上手い」。「決して連打が速いわけではないのに、左を打って右ストレートからの左の返しが速い」。これは軸がしっかりしているからです。(西岡さんが言ってるので間違いないです。)
体幹が強いからの技で、誰でもできることではなさそうです。
決してゴンザレスが非力ではないのです。リーチは長いしパンチの角度もいいので、攻勢に転じればそれなりにいいパンチを当てていました。
■パワーの違い
まずスピードが違います。左ジャブが速くて的確。リーチが長いゴンザレスのジャブに右のクロスを合わせるので、徐々にゴンザレスはジャブどころか手数が少なくなって、4ラウンドぐらいから完全にフランプトンのペースになっていきます。
ゴンザレスのボディはとても上手くて威力がありそうなんですが、厳しいレフリーにほとんどローブローに取られ、都合2ポイント減点される始末。
■ローブロー
ここでジョー小泉さん登場です。「ネーブルというのは臍のことで、ネーベルラインというのがローブローの基準になるのです」レフリーによってはトランクスのベルトラインにこだわって、しきりに注意する人がいますが、このレフリーもとにかく厳しい人のようです。
高柳アナが「いかにも厳しそうな顔をしたレフリーですね」と言う通り、ホントにローブローには厳しいレフリーでしたね。
■9ラウンドに危うい場面はあったが
セコンドに発破をかけられたのか、9ラウンドのゴンザレスは別人のようにパワフルにパンチを繰り出し、結構ダメージのあるパンチをヒットしましたが、ラウンド後半は失速。結局、オープニングラウンドを除いては、フランプトンがリングジェネラルシップを完全に支配し、12ラウンドを終わったら、すべてのジャッジが大差の判定でフランプトンを支持していました。
■次は和氣!
調子のいい和氣にもフランプトンは荷が重いですね。どこをどう見ても和氣に勝てる要素が見当たりません。
判定にまで持っていくもの難しそうです。
ただ、フランプトンは減量苦で今回の試合での危うい場面はその影響が大きいといえます。
フェザー級に上げる?空位になる?
となると和氣にも新たなチャンスが見えてきそうです。