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ディリアン・ホワイト(イギリス)VSディレック・チゾラ(イギリス)
WBCシルバーヘビー級タイトルマッチ(2018年12月22日)
ホワイトは、25戦24勝17KO1敗、30歳。WBC、WBO1位。
唯一の1敗は、2015年にアンソニー・ジョシュアにTKO負けしたもの。チゾラとは2016年に対戦し、2-1のきわどい判定で勝って以来の再戦となります。
チゾラは、37戦29勝21KO8敗、34歳。WBC,IBF5位。
8敗もしていますが、ほとんどがビタリ・クリチコ、デビッド・ヘイ、タイソン・フューリーなどヘビー級のトップ選手に喫したものです。突進力とリズミカルな上体のゆすりは、「スモーキン・ジョー」と言われたジョー・フレイザーを彷彿させます。
前半はスモーキン・ジョーのペース
チゾラは、スモーキン・ジョーばりに、体をゆすって左右のフックを振り回しながら、突進していきます。ホワイトは、下がりながらカウンターを狙いますが、チゾラのパワーに押され、次第にロープに詰まるシーンが多くなってきます。時折、右アッパーや右のカウンターをヒットさせますが、手数ではチゾラに軍配が上がります。
チゾラが後半ペースダウン
ヘビー級では珍しく、お互いがボディブローを結構放ちますね。ホワイトは、カウンターでボディアッパー、チゾラは頭を下げて、ホワイトをロープに詰め、左右のボディフックを叩き込みます。しかし、ホワイトのボディアッパーの方が効果的だったようで、8ラウンドあたりからチゾラがややペースダウンします。ここで、チゾラは、ローブローの減点をとられ、流れがホワイトに傾いた感じです。
終盤は消耗戦
さすがにホワイトも終盤は、ややスタミナ切れで、ロープに詰まるシーンが多くなり動きも緩慢になってきます。チゾラも、疲れからか、パンチの振りが大きくなり、ガードもルーズになってきます。お互いよれよれで、もう気力だけで立っている感じです。
そして、11ラウンド。勝負に出た感じのホワイトの手数が増えます。しかし、長くは続かず、チゾラも応戦してきます。チゾラが、右を放ち、その返しの左に合わせて、ホワイトが左フックを振りぬくと、これがカウンターとなり、チゾラの顎にヒット。疲れたところへもらったパンチは効きます。ばったり倒れたチゾラのダメージは深刻です。セコンドがリングに入ってきましたが、レフリーがカウントアウトし、ホワイトのKO勝ち。
WBCとWBOで1位のホワイトですが、アンソニー・ジョシュアやディオンテイ・ワイルダーに比べるとパワー不足は否めませんね。ルイス・オルティスやタイソン・フューリーの方が実力は上でしょう。