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シャクール・スティーブンソン(アメリカ)VSビオレル・シミオン(ルーマニア)
S・フェザー級10回戦(2018年10月13日)
スティーブンソンは、8戦全勝4KO、21歳のサウスポー。
2016年のリオ五輪、バンタム級の銀メダリストです。
シミオンは、23戦21勝9KO2敗、36歳。
2017年には、スコット・クイッグとIBF世界フェザー級挑戦者決定戦を行い、判定負けしています。(当時IBF4位)
この試合、本来はWBA13位のデュアーン・プーとフェザー級で戦う予定でしたが、プーの目の負傷のため、急きょシミオンに変更されたようです。
そのため、契約ウェイト129ポンドのS・フェザー級で行われることになりました。
シミオンは、元世界ランカーですが、1年半のブランクがあります。
右フックのスピードは一級品
前に出て距離を詰めたいシミオンに対し、スティーブンソンは、ステックバックで自分の距離をキープします。
そして、スティーブンソンが左ストレートから返しの右フックでいきなりダウンを奪います。同時にシミオンも左フックを放っていますが、スピードが格段に違います。
(左の打ち方は今一つですが、返しの左フックはスピードがありますね)
(同じタイミングでシミオンも右を放っていますが、スピードがまるで違いました)
かなりダメージのある倒れ方でしたが、何とか立ってきます。
試合が再開されると、スティーブンソンが一気に倒しに行きます。
必死で抵抗するシミオンが左フックを大きく空振りして、その勢いでスリップダウン。しかし、レフリーはダウンと判断しカウントが入ります。
(これは完全にスリップダウンですが、シミオンはこれで一息入れます)
スリップのアピールをしますが、シミオンにとっては、このダウンはダメージの回復にはちょうど良かったような気がします。
一息ついたのもつかの間、スティーブンソンが猛然と襲い掛かります。しかし、時間がありません。
ゴングに救われたか、と思った10秒ほど前に、またもやスティーブンソンの右フックがシミオンの顎をとらえます。
(ステーブンソンの左は速くてキレが抜群ですね)
(立ってきたものの、もう戦闘能力は残っていません)
シミオンは大きくぐらつき、ロープにもたれかかるようにしてダウン。
ゴングと同時にレフリーが試合をストップしました。
9戦目はわずか1RTKO勝ち。ブランクのある相手とはいえ、会心のKO劇でした。
次は世界ランカーですね。フェザー級ならそれほど怖い相手は見当たらないので、来年は一気に駆け上がってくるでしょう。