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ミゲール・コット(プエルトリコ)VSサダム・アリ(アメリカ)
WBO世界S・ウェルター級タイトルマッチ(2017年12月2日)
(出典:WOWOW)
ミゲール・コットは勝っても負けても、これがラストファイトになります。
46戦41勝33KO5敗、37歳。四階級制覇の偉大なチャンピオンです。
サダム・アリはこれが2度目の世界挑戦。2016年3月にジェシー・バルガスにTKO負けして、王座獲得に失敗しています。
26戦25勝14KO1敗、29歳。WBO7位。
イエメン出身で、ジョー小泉さん曰く「イエメンのイケメン」。
コットにとってアリはそれほど危険なパンチがなく、打たれもろさもあるので、あわよくばKOで有終の美を飾れる相手だったのでしょう。
予想外に打たれ弱さを見せたコット
立ち上がりのコットはいつも通りの軽快な動きで、調子の良さがうかがわれました。
前に出て積極的にパンチを放ち、早くもペースを握った感じでした。
しかし、2ラウンドにアリの右ストレートをもらうと、コットはぐらつき、足がばたついて、意外なもろさを露呈します。
(この日のコットはガードも甘く、不用意にパンチをもらいます)
しかも、この日のコットはガードが甘く、アリの左フックが結構ヒットします。
前に出てプレッシャーをかけるコットですが、いつも以上に上半身に力みが感じられ、これが打たれもろさにつながっているような気がします。
4ランドにもコットは、「イエメンのイケメン」の左フックをテンプルに浴びて、たたらを踏みます。
(この左フックはかなり被弾していました。ガードの堅いコットにしては珍しいですね)
中盤はコットがペースを握る
序盤に危ないシーンがありましたが、中盤は前に出てプレッシャーをかけるコットが、試合を支配します。
6ラウンドには右ストレートでアリをぐらつかせました。
(この日のコットのベストショットでしょう)
7ラウンド終了時点では、ややコットがポイントをリードしている感じでした。
このままいけば何とか判定で勝利をものにできるかな、と思わせました。
しかし、8ラウンドからアリが出てきました。
終盤はコットが失速
セコンドにハッパをかけられたのでしょう。アリがペースを奪いに来ました。
一方のコットはややスタミナ切れか、ややパンチにスピードやパワーも欠いてきました。
10ラウンドにはアリのボディ攻撃でさらに動きが悪くなり、そこへアリの右フックをもらい、またもやピンチに。
(この右フックでまたコットがぐらつく)
いよいよコットは苦しくなってきました。
もう、反撃する力は残っていません。必死でアリのパンチをかわし、逃げまくります。
それでも、最終ラウンド、コットは意地を見せます。
残っている力を振り絞って反撃に転じます。
さすがにアリも疲れが見えます。
頑張れコット!そういうコット。
そして、ここでゴング。コットのラストファイトが終わりました。
判定は3-0(116-112、115-113、115-113)でアリがタイトルを獲得しました。
まあ、妥当な採点ですね。
しかし、アリのボクシングは基本的には消極的で、これでは初防衛は難しいと思います。
コットは37歳。さすがにカムバックはないでしょうね。