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マイキー・ガルシア(アメリカ)VSエイドリアン・ブローナー(アメリカ)
S・ライト級12回戦(2017年7月29日)
(出典:WOWOW)
ガルシアは36戦全勝30KO、29歳。現在WBCライト級チャンピオンです。
ブローナーは36戦33勝24KO2敗1NC、28歳。WBCでS・ライト級6位、WBAではウェルター級2位にランクしています。
今回はS・ライト級で対戦します。ガルシアは1階級上げ、ブローナーはなんと1階級下げて戦うことになります。
私にとっては、問題児ブローナーが前日計量をクリアできるかが最大の関心事でしたが、予想を裏切り、体を絞ってきました。破格の罰金が科せられていましたが、それでもびっくりです。
しかも、ノンタイトル戦で12000人もの観衆を集めたのは、悔しいけれどブローナーに根強い人気によるところが大きいと言わざるを得ません。
出来ればガルシアはブローナーを完全に退治し、もう二度とリングに上がらないようにしてほしいですね。
ガルシアが距離を掌握
きっちり下げてきたブローナーの左ジャブはさすがですね。ガルシアより速く見えましたが、距離が合っていません。
ガルシアにほとんど届かず、当たらないけど速い左ジャブは、回を追うごとに手数が減ってきます。
前半はガルシアがプレッシャーをかけ、ガードの上からお構いなしにパンチを打ちこみます。左ジャブの差し合いも、距離をつかんでいるガルシアの方のパンチがブローナーをとらえます。
無理をしないガルシア
ガルシアの右がブローナーのガードを破り、顎とらえる場面もありますが、それ以上畳みかけることがありません。
(ガルシアのパンチがブローナーの顎をとらえるシーンもありましたが)
ブローナーが連打を許さないのも要因ですが、ガルシアは倒すことより、勝負に徹しているような感じです。
中盤は退屈な展開が続き、7ラウンドはうっかり居眠りをしてしまいました。
中間距離でのスリリングなパンチの交錯がなく、お互いのパンチが単発で、特にブローナーの手数がとにかく少ない。ガルシアのパンチをガードするのに精一杯という感じです。
終盤ようやくブローナーが反撃
ブローナーのベストラウンドは9ラウンドでしょう。ガルシアをロープに詰めて放った左ボディブローは、この試合で初めての効果的なパンチでした。
この回あたりから、ようやくブローナーのパンチが少しずつヒットし出しましたが、時すでに遅しです。
結局、11~12ラウンドは再びガルシアの手数に押され、前に出ても、先にパンチを放つのはガルシアです。
最終ラウンドは結構ガルシアのパンチがブローナーをとらえていました。
(パンチの威力はガルシアが上です)
ブローナーは計量をパスした以外は、ほとんどいいところはなく、両者には明確に力の差を感じました。
判定は3-0(117-111、116-112、116-112)でもちろんガルシアの勝利です。
しかし、ブローナーに4ポイントも与えたジャッジは、一体どこを評価したのでしょうね。
とにかく、ガルシアはブローナーに勝って、また名前を上げた感じにはなりましたし、できればボコボコに倒してほしかったですね。
ブローナーはこの敗戦で、世界戦線から完全に退く形になるでしょう。
せめてWOWOWでの、こいつの試合の放送はもうやめてほしいですね。