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ゾラニ・テテ(南アフリカ)VSアーサー・ビラヌエバ(フィリピン)
WBO世界バンタム級暫定王座決定戦(2017年4月22日)
(出典:WOWOW)
(テテは身長175㎝、リーチは183㎝もあります)
この試合は、当初はノンタイトル戦だった(挑戦者決定戦かもしれません)ようですが、同じ日のマーロン・タパレスVS大森将平の世界戦の前日計量で、マーロン・タパレスが計量オーバーしてタイトルを剥奪されたため、暫定王者決定戦に昇格したようです。
ゾラニ・テテは27戦24勝20KO3敗、29歳のサウスポー。WBO2位ランクされてます。元IBFS・バンタム級チャンピオンです。
この選手、なかなかの曲者です。普段は、20KOのパンチ力はとてもなさそうなボクシングをしますが、2015年にポール・バトラーをTKOした試合は圧巻の強さを見せました。
恐らく倒す気になれば、かなり強いパンチを打ち込める力があるのだと思います。20KOは伊達ではなさそうですよ。
ビラヌエバは31戦30勝16KO1敗、WBお1位にランクしていますが、マックジョー・アローヨに負傷判定負けしている以外は、名のある選手との対戦はありません。
2102年に江藤大喜に判定勝ちしていますが、ダウンを奪い合う大苦戦でした。
序盤で勝負の行方が決まる
今日のテテは負けないテテでした。
長く伸びる右ジャブで自分の距離をキープし、前に出てジャブでビラヌエバの動きを完全にコントロールします。
ビラヌエバが中に入ろうとすると、左ストレートが待ってます。
早くもビラヌエバは何もできなくなりました。
テテの左ストレートは威力がある
負けないボクシングのテテは、それほどパンチを強く打ちません。
それでも、左カウンターはかなり威力がありますね。
3ラウンドにその左がカウンターでビラヌエバの顎をとらえると、ビラヌエバはガクッと腰を落としました。
足腰の強さで、倒れるのを何とか我慢しましたが、倒れていたらテテはフィニッシュに行っていたかもしれません。
それでも、結構ダメージがあったようです。一応、テテは追撃しますが、深追いはしません。
これで、ビラヌエバは思い切って中に入れなくなりました。
(この左カウンターでビラヌエバの腰が落ちる)
警察から表彰されそうな安全運転
これが自動車なら、警察から表彰状がもらえるかもしれません。
それほど、完璧な安全運転でした。
そして、エコドライブ。20ラウンドでも行けそうなほど燃費のいい省エネボクシングを展開し、ビラヌエバに何もさせませんでした。
11ラウンドには左ストレートをタイミングよくヒットし、ダメ押しのダウンを奪いました。
足が揃ったところへ、首のあたりにテテの左が当たって、しりもちをついたようなダウンで、ダメージはほとんどありませんでした。
(軽く打ったパンチがタイミングよく当たりダウン)
ビラヌエバのクリーンヒットはおそらく12ラウンド、1発もなかったと思います。
テテにこんなボクシングをされたたら、誰も勝てないような気がしますね。
判定はもちろん大差の3-0(119-108、119-108、120-117)。私は120-107でテテの完封勝ちです。
なお、大森将平が負けたことによって、テテが正規王者に昇格しました。
山中慎介と統一戦を希望しているようですが、さすがの山中もこのテテには神の左をヒットさせるのは容易ではないでしょう。
それと、バンタム級に結構怖い東洋太平洋チャンピオンがいますね。
マーク・ジョン・ヤップ。
日本の六島ジムに所属し、先日(7月30日)益田健太郎をTKOで倒し、初防衛に成功しています。
この2年ほどで急に強くなった印象がありますね。
戦績は37戦26勝12KO12敗ですが、8連勝中、3連続KO勝ちです。
赤穂亮や大森将平よりは絶対強いですね。井上拓真も危ないかもしれませんよ。
ゾラニ・テテは山中より、このヤップとやった方が面白そうです。