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ハッサム・ヌダム・ヌジカム(フランス)VS村田諒太
WBA世界ミドル級王座決定戦(2017年5月20日)IN 有明コロシアム
(出典:WOWOW)
ヌジカムは37戦35勝21KO2敗、33歳。2敗は2015年、デビッド・レミューに4度倒されて判定負け、2012年、ピーター・クイリンに6度倒されて、これも判定負けしたものです。
昨年12月にアルフォンソ・ブランコを打ち下ろしのパンチ1発でKOし、WBA世界ミドル級暫定王座を獲得しています。
村田12戦全勝9KO、31歳。WBA2位にランクされています。
3月9日(日本時間)にゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)とダニエル・ジェイコブス(アメリカ)が対戦しますので、WBAの正規王座が自動的に空位になり、この試合が王座決定戦となるようです。
ビリー・ジョー・サンダースは最後までイギリス開催にこだわる
ほとんどのボクシングファンは、村田はサンダースに挑戦するものだと思っていたでしょうね。これといった怖さのないサンダースは、村田にとっては願ってもない標的でしたから。
ところが、どうしても日本でタイトルマッチを希望していた村田側の交渉に対して、サンダースは最後までイギリス開催にこだわっていたようです。
まあ、イギリスのボクシング人気はすごいですからね。サンダースみたいなしょーもないチャンピオンでも、下手すると2万人ぐらいの観衆が見込まれます。
日本だと、果たして1万人集まるでしょうか。
とりあえず、ゴロフキンとジェイコブスが対戦するおかげで、ムジカム戦が浮上してきたようです。
驚異のタフネスを誇るヌジカム
さて、問題はヌジカムの実力です。
クイリンに6度も倒された試合はあまり覚えていませんが、レミューに4度倒されて、最後は反撃に転じたあのスタミナは驚異的でした。
少し話は逸れますが、6度倒したクイリンは、ジェイコブスにTKO、4度倒したレミューはゴロフキンにTKO負けしています。奇遇ですね。
1発パンチも決して侮れませんが、村田にとってはそれほど脅威ではないような気がしています。
村田と同じオリンピック出場経験(ベスト8)がありますので、基本はしっかりしています。スキルは一級品です。ただ、どうもディフェンスは意外と甘いように思います。
2人に10度も倒されて、判定まで粘ったのですから、決して打たれ弱くはありませんが、不用意にパンチをもらうためでしょうね。
ただし、ダメージの回復力が驚異的です。
ダウンを喫した次のラウンドは、何事もなかったように、反撃に転じてきます。
先手必勝が村田の条件
村田が勝つには、先手を打つことです。初回からプレッシャーをかけ、ペースをつかみ、できれば早い回にダウンを奪ってほしいですね。
ただし、ダウンを奪っても強引に倒しに行かなことです。驚異の回復力でカウンターパンチを待ち構えていますから油断なりません。
とにかく、ヌジカムのスキルは一級品ですから、相手のペースなってしまうと、少々厄介です。
それと、スタミナ勝負では分が悪そうですから、ペース半分にも細心の注意が必要です。中盤は少し流す感じで、終盤の反撃に備えましょう。
強引にKO狙わなければ、十分勝てる相手だと思います。
むしろ、ディフェンシブなサンダースより噛み合うような気がします。
そして、勝ったら、サンダースなんかほっといて、一気にゴロフキンと勝負しましょう!