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尾川堅一 判定 内藤律樹
日本Sフェザー級タイトルマッチ(2016年12月3日)
(出典:日テレG+)
尾川は20戦19勝16KO1敗、28歳。
内藤は16戦15勝5KO1敗、25歳。
尾川はすでにIBF7位、他団体でも世界ランクに名を連ねています。
本来なら、そろそろ世界へ照準を定めたマッチメイクに転換するところでしょうが、内藤と決着をつけてから世界を狙うことにしたようです。
前回は1ラウンドに尾川がダウンを奪ったものの、内藤の反撃に合い、5R負傷判定という中途半端な結末になってしまっていました。
あのまま10Rまでいけば、内藤が勝っていたかもしれないかも、というような展開でした。
ディフェンスが完璧な二人
序盤はプレッシャーをかけ、スピードのあるパンチで尾川がポイントを奪いましたが、中盤は強いパンチを狙いすぎる尾川に対して、右ジャブをヒットし、内藤がペースを奪い返します。
しかし、お互い抜群の防御勘で、クリーンヒットをほとんど許しません。
この日の尾川は、ディフェンス面でも内藤に負けていませんでした。
終盤は尾川がペースを握る
5ラウンドを終わって、ジャッジ3人が48ー47で尾川を支持。
中盤、内藤がリズムを取り戻し、少し盛り返したものの、終盤は再び尾川の強いプレッシャーで内藤が下がる展開になりました。
やはり内藤の全体を通して消極的なボクシングが、勝敗の分かれ目になったと思います。
8ラウンド、尾川は執拗にボディを狙いだします。そして、内藤のガードが下がったところに尾川の右ストレートがヒットします。
(内藤は、挽回しようとう焦りから不要にパンチをもらう場面が増える)
内藤も必死に反撃しますが、不用意にパンチをもらう場面が目立つようになり、終盤は尾川がペースを握った感じで10ラウンドのゴングを聞きました。
ポイントはジャッジ3人ともが96-94。わずか2ポイント差ですが、明確に尾川が勝っていたと思います。
この日の尾川はいつになく手堅いボクシングでしたね。ディフェンも巧みで、内藤につけ入るすきを与えませんでした。
前回の防衛戦では、後味の悪いTKO勝利でしたが、今回ははるかに動きも良く、判定勝ちながら評価のできる内容だったと思います。
まあ、内藤をKOできるようであれば、すぐに世界を狙えるでしょう。
ユーリ阿久井政悟 1RTKO 大野兼資
50キロ契約8回戦
(阿久井は岡山県の倉敷平安ジム所属で、後楽園ホールはこれが2度目)
ユーリは9戦8勝4KO1分け、21歳。2015年の新人王です。
一方の大野も2014年の新人王で、元WBAの世界ランク13位。
12戦11勝6KO1敗、28歳。
ユーリは新人王戦の時の印象では、パンチ力よりもテクニックの選手という感じでしたが、現在2連続KO勝利中です。
サウスポーの大野に対して、阿久井は開始から速い右ストレートを放ち、タイミングがあっている感じでした。
そして1分弱に、阿久井の放った右ストレートで早くも大野がダウン。かなりダメージがあるようでしたが、なんとか大野は立ってきました。
(この右ストレートで勝負はほぼ決まったような感じです)
その後、阿久井が一気に追撃しますが、さすが元世界ランカーの大野も、追撃を巧みにかわし、このまま逃げ切るかに思われました。
しかし、執拗な阿久井の連打にさらされ、セコンドが慌ててタオルを投入し、リング内に入って試合をストップさせました。
(慌ててセコンドがリングに飛び込んできました)
阿久井はLフライ級にしては体幹もしっかりしており、スピードに加えてパンチ力も増してきているようです。
2015年新人王組はレベルが高そうですね。
この日はウェルター級の永野祐樹や、Sフライ級の梶颯も、倒して勝っています。