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テリー・フラナガン(イギリス)VSムゾンゲ・ファナ(南アフリカ)
WBO世界ライト級タイトルマッチ(2016年7月16日)
(出典:WOWOW)
フラナガンは30戦全勝12KO、27歳のサウスポーです。
手数が多く、ステップワークが軽いスタイリッシュなボクサーです。決め手の左の打ち方が少しおかしいのと、ナックルがきっちり当たっていないため、KO率が低いのでしょう。こういうボクサーは嫌いです。
ファナは元IBF世界Sフェザー級王者で、現在WBO9位。2015年以降の戦績は5勝4敗で、WBO傘下のタイトルを保持しているためWBOのランキングにいますが、はっきり言って過去の人です。
47戦38勝16KO9敗、42歳。キャリア22年を誇りますが、とても世界に挑戦する戦力があるとは思えません。
序盤から一方的な展開
フィジカル面で完全に優位にあるフラガナンが、持ち前の手数でほぼ一方的に打っていたように思います。
打ち終わりを狙うファナの右ストレートを不用意にもらう場面もありましたが、どうやらほとんど威力はなさそうです。
4ラウンドに左フックが決まり、ダウンを奪いました。
このラウンド、まだ2分ぐらいありましたら、この回で決まりかな、と思いましたが、フラナガンは当て勘が悪く、パンチの打ち方が雑で、ラッシュはするものの、倒し切れません。
明らかにダメージの残るファナ
5ラウンドに入ると、ファナの足の運びがぎこちなく、明らかにダメージが感じられました。
ところが、フラナガンの攻撃が雑で、左ガードが甘いので、時折ファナの右ストレートの反撃に合い、決め手に欠く攻撃でファナを仕留めきれません。
8ラウンドの左アッパーも微妙に芯から外れており、深刻なダメージにはつながりませんでした。
(私はかなり一方的な展開になっていたので、このアッパーでぐらついたところでストップしても良かったと思いました。)
(ファナが顔を左に避け、会心のアッパーに見えましたが、ダウンを奪うまでには至りません)
そしてこの展開がなんと11ラウンドまで、だらだらと続きました。
まさか判定にまでもつれ込むとは、と思っていましたら、12回についに左ストレートから右の返しで2度目のダウンを奪いました。
浜田さんが「あと1分ありますよ」と気合が入りましたが、フラナガンはこの期待に応えられず、無駄に1分を費やしてしまいました。
(左ストレートも少しオープン気味で、右の返しもかすった程度)
判定はもちろん3-0ですが、ジャッジ全員が120-106の大差。実は私も同じでした。
オリンピックは終わりましたが、アマチュアレスリングにはテクニカルフォールというルールがあります。今回の試合はまさにこれを適用しても良かったんじゃないでしょうか。
さて、フラナガンの次戦は1位のフェリックス・ベルデホらしいですね。
ベルデホも最近の2試合がどうにも物足らないので、ここらあたりでフラナガンをボコボコにして、「ベルデホファン」をスカッとさせてほしいですね。