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ジャーメル・チャーロ(アメリカ)VSジョン・ジャクソン(バージン諸島)
WBC世界Sウェルター級王座決定戦(2016年5月21日)
(出典:WOWOW)
先に登場したのは弟のジャーメルです。
27戦27勝12KO、26歳、WBC1位にランクされており、フロイド・メイウェザーの引退に伴い空位になったWBCタイトルの王座決定戦に臨みます。
兄のジャーマルが「力の選手」なら弟のジャーメルは「テクニックの選手」です。
それにしてもややこしいですね。試合とは関係ないですが、どちらか、リングネームを変えた方がいいと思いますよ。
相手はジュリアン・ジャクソンの息子、ジョン・ジャクソン。
22戦20勝15KO2敗、27歳。WBC2位です。
ジャクソンは、アンディ・リーに逆転KO負けした試合が印象に残っていますね。あの試合、完全にジャクソンが勝ったと思いましたが、無防備で攻め込みカウンター1発で沈みました。
浜田剛史さんが「ジャクソンは勝っても負けてもKOでしょう」というのも頷けます。
ジャクソンが距離を支配
前に出てプレッシャーをかけるのはジャーメルですが、距離が合わないのか、ジャクソンのパンチを警戒しすぎているのか、パンチが届いていません。
ジャクソンは自分の距離で戦い、ジャーメルの打ち終わりを狙い、うまくカウンターをヒットしてポイントをリードします。
序盤戦は、ペースはジャーメルが支配し、距離はジャクソンが支配するという感じでした。
ジャクソンはもっと好戦的なファイターという印象がありましたが、この日は完全にアウトボクサーでしたね。
中盤から強引に攻めるジャーメル
5ラウンドに入ると、ジャーメルはさらにプレッシャーを強め、強引にパンチを繰り出します。
(5回にようやくジャーメルのパンチがヒット)
6ラウンド終了時点ではおそらくジャクソンがポイントリードしていたでしょうが、決してジャクソン余裕があるようには見えませんでした。
ポイントを挽回しようと、7ラウンドには、さらにジャーメルがプレッシャーを強めました。
一方のジャクソンはカウンターを狙うものの、パワーに押されだんだん手数が減ってきました。
タイミングが合ってきた8回。ジャーメルの右フックがジャクソンの目にヒットし、なんとジャクソンが無防備に横を向いてしまいました。
(渾身の右がジャクソンの目にヒット)
(目を気にして横を向いたジャクソンにジャーメルがかかります)
猛然とジャーメルが襲い掛かり、完全に戦意喪失した感じのジャクソンはコーナーにもたれかかり、レフリーがストップしました。
(完全に後ろを向いてしまったジャクソンをレフリーが救い出します)
フィジカル面で勝るジャーメルが、最後は力でねじ伏せたような感じでしたが、「テクニックのジャーメル」にしては距離感も当て勘も悪かったように思います。
メインで登場する兄ジャーマルの方がすべておいて上ですね。
ジャクソンは階級を下げて、ウェルター級で戦った方が力が出せるような気がします。
とにかく、この階級ではチャンスはめぐってこないでしょう。