最年少世界王者を目指す 加納陸VSメルリト・サビーリョ

[pc][/pc] [mobile]
[/mobile]

目次

加納陸VSメルリト・サビーリョ(フィリピン)

東洋太平洋ミニマム級暫定王座決定戦(2016年5月8日)

f:id:stonemeintothegroove:20160509134544j:plainf:id:stonemeintothegroove:20160509134550j:plain

(出典:テレビ大阪)

加納陸は4戦4勝2KO、18歳です。現在WBO6位、IBF13位、WBCでも15位にランクしており、井岡弘樹さんのもつ最年少世界王者の記録更新を狙っています。

不思議なのはサビーリョです。現在WBO世界ミニマム級1位にランクしており、田中恒成が返上したWBOタイトルの王座決定戦の最有力候補と思われるのに、なぜ東洋太平洋の暫定王座決定戦なのでしょうか。

サビーリョは28戦25勝12KO2敗1分、32歳。元WBO世界にミニマム級王者です。この元世界王者に勝つようだと世界が見えてきますね。

そして、サウスポー同士の対戦です。キャリアの浅い加納にとっては不利な材料かもしれません。

序盤は加納のペース

動きの硬いサビーリョに対して、加納はスピーディなフットワークを使い、右ジャブ、左ストレートをコンパクトにヒットして、ペースを握ります。

2回には接近して、サビーリョの危険なパンチをかわし、左カウンターを決め、パンチが交錯するシーンでも勇敢に打ち合います。

加納は、スピードがあって、防御勘もよく、うまいボクシングをしますね。

しかし3回に入るとサビーリョが出てきました。強いプレッシャーをかけ、強引にパンチを振ってきます。

この打ち合いに応じた加納は、自分のパンチもヒットしますが、サビーリョの大きなパンチを被弾するようになり、かなりスリリングなシーンが展開されるようになってきます。

 

中盤はサビーリョが打ち勝つ

右ジャブが減ってきた加納は、サビーリョの前進をまともに受け、コンパクトなパンチをヒットし手数では上回るものの、パワーのあるサビーリョのパンチに押され気味。接近戦での打ち合いはパンチ力のあるサビーリョが優勢です。

6回からは、少しガス欠気味のサビーリョのプレッシャーが弱まってきましたが、ラスト30秒、とか、ラスト10秒に猛然とラッシュする作戦を使って、加納をたじろがせます。

8ラウンドは疲れが見え始めた加納にサビーリョの右ストレートが決まり、ボディブローも効いてきたのか、加納の腰が引けてきました。

 

終盤は加納がペースを取り戻す

このまま押し切られるかと思いましたが、加納は10回からまた足を使って、コンパクトにパンチをヒットし、残り1分ぐらいからこの試合初めて加納が前に出て、サビーリョをロープに詰めラッシュを見せました。

すっかりペースを取り戻した加納は、手数でもサビーリョを上回りポイントを奪います。

最後は足を使ってサビーリョをコントロールし、左ストレートをカウンターで決めるなど、サビーリョに付け入るスキを与えませんでした。

 

判定は2-1(113-115、115-111、117-111)のスプリットデシジョンでしたが、私の採点では3ポイント、加納が勝っていたように思います。でも彼のキャリアの中では一番苦戦しましたね。

 

やはり今回も右ジャブが少なかったようです。世界のトップクラスの選手に比べるとパンチ力も物足りませんね。ライトフライ級だとパワー負けしそうです。

ボクシングのうまさ、冷静な試合運びは評価できますし、将来的には世界を狙えるでしょうが、年内に世界戦を強行するのはどうかと思います。

 

www.boxing-blog.com

 

 

タイトルとURLをコピーしました