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久しぶりに見た本物のファイター
WBCユース・フライ級タイトルマッチ(2015年11月7日)
比嘉大吾VSレンレン・テソリオ(フィリピン)
(出典:日テレG+)
比嘉は具志堅2世と呼ばれているようですが、そのファイトスタイルは、往年のファイティング・原田さんを彷彿させます。そして原田さんよりパンチ力があります。
最近の選手はファイターと言ってもボクサーファイターどまりで、ゴングが鳴って
からほとんど手を休めず前に出て、ガンガンパンチを繰り出す本物のファイターにはなかなかお目にかかれません。
そういう意味では比嘉は本物のファイターですね。
ガードがしっかりしている
比嘉は前に出てガンガン打つだけではなくガードもしっかりしており、テソリオのうち終わりを狙ったパンチもしっかりガードしていました。
常に比嘉がプレッシャーをかけ、一方的に攻めます。
2回には右のカウンター、3回には力強いコンビネーションと攻めが多彩。
しかし、テソリオは五十嵐と昨年9月に1~2ポイント差の善戦をしており、現在東洋太平洋ライトフライ級4位、フィリピンの国内チャンピオンでもあります。
比嘉の猛攻に心が折れることなく反撃してきます。
比嘉の多彩な攻撃
比嘉が中盤よく見せたのが左のダブル。ボディから顔面への2段打ちです。
特にボディブローはうまいですね。かなりテソリオは効いていたと思います。
左ジャブから右ストレートもかなりの威力があります。
普通、これだけ攻められたら気持ちが折れそうなものですが、テソリオはしぶといですね。比嘉の攻撃のあと必ず大きなパンチを、思い切りよく振り回し反撃してきます。
そして、時折いいパンチをクリーンヒットするので、油断がなりません。ボディブローもうまいです。
テソリオはタフ!
比嘉の右のクリーンヒットで何度も膝を揺らすものの、テソリオはそこからがしぶとい。ロープ際で踏ん張って大きなパンチを強振してきます。
クリーンヒットは少ないですが、比嘉に負けないぐらい手数が多く、「絶対に倒されない」気持ちの強さを持っています。
結果を知らなければ、私は6ラウンドぐらいで、「これはKOは無理かな」と思ったはずです。
圧巻の10ラウンドKO
8回に比嘉はペースを落とし、少し休みます。
そして、9回に倒しに行きました。
猛然と打ちまくりましたが、倒れません!テソリオは体が柔らかくてタフです。
五十嵐と五分の試合をした実力はさすがです。
ここまで、テソリオにポイント与えるとしたら、8ラウンドの1ポイントだけですね。
試合は初回からずっと比嘉のペースで、判定なら大差。
しかし10回、もう残り3~40秒ぐらいのところで、テソリオが少し気を抜いたすきに比嘉の右ストレートがクリーンヒット。
(出典:日テレG+ この右は効きました)
(出典:日テレG+ この右でテソリオは失神)
これはさすがに効いた!追い打ちをかけるようにとどめの右フックでテソリオの意識が飛びました。
会心のKOシーンでしたね。
比嘉は強いだけでなく、見せます。スター性抜群です。
けなすところが見当たりません。
間違いなく来年には世界チャンピオンになるでしょう。人気も出ますよ。
セミファイナルの8回戦も好試合
ライト級8回戦
横山雄一VS高見良祐
(出典:日テレG+)
横山は18戦15勝13KO3敗、一方の高見は8戦7勝6KO1敗。
いやーKO必至のKO率ですね。私の大好きな戦績です。
横山は以前に何回かセミファイルなどで見ています。ハードパンチャーですが、打たれもろく、最近低迷しているような記憶があります。
高見は初めて。お手並み拝見です。
完成度高い高見
ジャブをつき前に出てプレッシャーをかけるのが高見、パワフルなパンチで下がりながらも、応戦する横山。ともにいいボディブローを打ちます。一進一退の素晴らしい攻防です。
3ラウンドに横山がパワフルな攻撃でポイントを奪いますが、少し力みが目立ち、4ラウンドから少し失速気味に。
高見は堅いガードで攻勢をかけ、5ラウンドには横山が目を切りさらに苦しくなります。
このあたりから完全に高見のペースで、あとはいつ仕留めるかという状況になります。
そして最終回の8ラウンドの開始ゴングにこたえられずに、
横山がギブアップ。
これで、高見は4連続KO勝利だそうです。楽しみな選手ですね。
この試合、石田匠や小國以載の日本タイトルマッチより、はるかに見ごたえがありました。