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◆千梨らくさんの「翻訳ガール」
この3か月ぐらいで読んだ面白かった本を紹介します。
まずは千梨らくさんの「翻訳ガール」。おっさんでこれを読んだ人はおそらくいないでしょうね。私も千梨さんの本を読んだのはこれが初めてです。「ちなし」と読みます。他の作品を見ると、とてもおっさんが読むような本は見当たりません。
この本はもちろん図書館で借りました。まあ面白くなければ返せば済みますからね。私はこれを黒ヤギさんと呼んでいます。
「黒ヤギさんは読まずに食べた~♪」
タイトルを見たときは、軽~い小説かな、読みやすかったらまぁい~か、ぐらいの捨て駒の一冊でした。
ところがなんのなんの、心の弱い人たち、心が弱いばっかりに歪んだ行動をとる人たち、それを支える優しい人たち。とにかく癒される本でした。
様々な翻訳を請け負う小さな会社に勤める主人公の女性に、海外文学の翻訳の依頼がきます。そしてそれにまつわるいろいろなトラブルが発生しますが、ここからこの話の本番です。全体的には結構ミステリータッチで、あっと驚く犯人が…いたりします。もちろん殺人ではありませんよ。
心が弱いおっさんにはぴったりの本です。逆に心の強い人にはとても退屈な本かもしれません。
◆近藤史恵さんの「胡蝶殺し」
次に紹介するのは、近藤史恵さんの「胡蝶殺し」。私は、近藤さんの本はほとんど読んでいます。もともとミステリーファンですからね。その中でもベスト3ぐらいに入るかな~。
ただ、この本は「胡蝶殺し」と言いながら、まったく殺人は起こりません。歌舞伎界の話です。これを読むと歌舞伎界のことが結構わかりますよ。大変な世界ですね。
この物語は、子役から役者になるまでの様々な厳しい試練を描いています。
親が亡くなり、後見人となって預かった子供は、自分の息子よりもはるかに才能がありました。が、その子供がおたふく風邪になって大役をおろされ、見抜けなかった自分の息子の能力にようやく気付きます。この時にもひと波乱あったのですが、トラブルはまだまだ続きます。結局、…お楽しみのどんでん返しもありますよ。
今回は厳選して2冊だけ。(その2)でざっーと5冊ぐらい紹介しようと思います。