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◆歌野晶午さんの「女王様と私」
空想の世界の話(これを先に言ってしまうとまずいかな)ですがミステリーとしては筋が通っていて、どんでん返しも理論的でした。引きこもりのオタク44歳、社会復帰できるかな~。でも最後にもう一つの仕掛けが…。やられました!
◆三浦しおんさんの「船を編む」
辞書を作るという、とても地味な話なんですが、気が遠くなるような時間をかけて一語一語手作りで、何十万個の言葉の意味を作り上げていく過程は感動ものです。
何も成し遂げたという感動もなしに人生を終わるのは…ちょっと自分の生き方に疑問と不安がよぎりました。
映画化されていましたが、あれは失敗ですね。小説のほうがはるかに面白い。
◆有川浩さんの「ヒア・カムズ・ザ・サン」
7行の設定だけで二つの話がパラレルで進行します。
最初の話は出来すぎで、設定にかなり無理があると思いましたが、もう一つの嘘つき親父の方は感動しました。
◆深谷忠記さんの「黙秘」
「人間、勝手な希望を思い描かなければ絶望もないだろうが、希望を抱かずに生きるのは難しい」
パニック障害、その母親の殺人、そして裁判。どうつながるのでしょう?
セラピストによる記憶のコントロールによって事件は始まっていました。