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WBAスーパー・WBO・IBF世界ヘビー級タイトルマッチ(2021年9月25日)
アンソニー・ジョシュア(イギリス)VSオレクサンダー・ウシク(ウクライナ)
イギリスの試合は、いつも朝が早いので、大変です。5時に起きて準備していました。まあ、大方の予想はスケールの違い、そしてウシクがヘビー級での実績に乏しいこと、などの理由で、ジョシュアが圧倒的有利ということでした。しかしふたを開けてみたら…
両選手のプロフィール
アンソニー・ジョシュア(イギリス)WBAスーパー・WBO・IBF世界ヘビー級王者
25戦24勝22KO1敗 31歳 右ボクサー
身長198cm リーチ208cm 体重108キロ
オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)WBO1位・WBA4位・IBF3位
18戦全勝13KO 34歳 左ボクサー
身長 190cm リーチ 198cm 体重 100キロ
試合経過
ジョシュアは落ち着いていますね。ウシクはやや緊張しているように見えます。
それにしても、両選手が対峙すると体格の違いが歴然としています。6時15分にゴング。
1R)
お互い左と右のジャブの突き合いで始まりました。ウシクは体を左右振りながら左ジャブを放ちます。ジョシュアは様子見と言ったところでしょうか。
ウシクの左ストレートがヒットしました。速いですね。ジョシュアは右の距離を測っている感じです。やや動きが硬いですね。終盤、ウシクの左ストレートが軽くヒット。
2R)
ジョシュアが上体を振りながら積極的に前に出ます。しかし、ウシクはジョシュアのパンチを柔らかい動きで外します。結構ウシクの軽いパンチがヒットしていますね。ジョシュアの上体の動きが止まりました。また、ウシクの左ストレートがジョシュアの顔面をとらえます。ジョシュアはこの左に反応できてませんね。
3R)
ジョシュアが強引に前に出ますが、ウシクの素早い動きにかわされて、的が絞り難そうです。手数では完全にウシクが上回っています。ジョシュアはどうも動きが硬く、手数も少ないですね。ここまで、ウシクはうまく戦っています。
終盤、ウシクの左ストレートがヒットし、さらにもう一発左ストレートを放つと、ジョシュアがバランスを崩しました。少し効いたかな?ここはゴングに救われます。
4R)
ジョシュアは完全に速い動きのウシクを攻めあぐねています。ここまで、ウシクのペースで来ていますね。軽いパンチですが、手数ではウシクが大きく上回っています。ジョシュアの打ち終わりにウシクがパンチを放ちます。スピードがかなり違います。そして、ジョシュアの動きが硬く、ウシクの左には反応出来ていませんね。
5R)
ウシクのパンチが速いせいか、ジョシュアのパンチはいつもより遅く感じます。ジョシュアのパンチはウシクの速い動きにほとんど外されヒットしません。ラウンド後半、ジョシュアの右ストレートがようやくヒット、少しずつエンジンがかかってきたようです。右ストレートの距離も少しずつ合ってきたように見えます。
6R)
ジョシュアのパンチの距離が合ってきたようです。左ジャブも多くなってきました。ウシクは序盤から飛ばしすぎたのか、ジョシュアの右をもらうようになってきました。終盤、またジョシュアの右ストレートがヒットし、ウシクが下がります。鼻をしきりに気にしています。やはりパンチの破壊力は違いますね。
7R)
ジョシュアがペースを取り戻しつつあります。やっとウシクの動きに慣れてきたのかな。しかし、ウシクはすぐに反撃に転じ、左ストレートをヒット。ようやくジョシュアがウシクの左に反応できるようになったと思いましたが、またもやウシクの左ストレートで、ジョシュアがバランスを崩します。さほど効いてはいないようですが、見栄えが悪いですね。しかし、ジョシュアも右ストレートで応戦します。
8R)
ウシクの動きがまた激しくなってきました。6~7ラウンドと、少し休んだのかもしれません。ジョシュアの右が上下にヒットしますが、ウシクも手数で応戦します。ジョシュアは右ボディを狙っているようです。ラウンド終盤、ジョシュアの右アッパーがウシクのボディをとらえます。
9R)
ジョシュアの長い左ジャブはきれいですね。これをもっと多用すればいいのに。ウシクはこのラウンド、あまり手を出しません。ウシクのパンチは軽そうに見えますね。しかし、ジョシュアは動きの速いウシクを、なかなか捕まえることが出来ません。
10R)
ウシクが右ジャブを突きながら前に出ます。ウシクの細かい左右フックが何発かヒットしました。ジョシュアは右ボディブローを返します。それにしても、ウシクはディフェンスが上手いですね。柔らかい上体の動き、早いステップバックでジョシュアにクリーンヒットを許しません。ジョシュアは攻めあぐね、全く自分のボクシングが出来ていません。
11R)
ウシクがジャブを突いて前に出ます。そして左右のパンチがジョシュアの顔面にヒット。ジョシュアも右ストレートで応戦しますが、攻めが単調で相変わらず手数が少なく、ジョシュアの右も読まれていますね。
ウシクの左ストレートがダブルでヒット。終盤にもウシクに左ストレートがジョシュアをとらえます。ジョシュアのパンチはスピードがありません。
12R)
このままでは、ジョシュアの負けは濃厚ですよ。ウシクの左ストレート、フックがジョシュアをとらえます。ジョシュアも右ストレートで応戦しますが、ウシクの手数は止まりません。
ウシクが左右の連打を放つと、ジョシュアが下がります。ウシクの左ストレートが面白いように当たります。そしてラウンド終盤は、最後の力を振り絞ったウシクの連打で、ジョシュアがロープに詰まり、連打を浴びたところで試合終了のゴングが鳴りました。
判定は3-0(117-111,116-112,115-113)でウシクが3団体統一王座を獲得しました。
序盤からウシクの速い動きと手数に圧倒され、中盤少し盛り返したものの、ジョシュアらしさをほとんど発揮できずに終わってしまいました。ウシクは、パンチこそ軽いものの、手数も当て勘もスピードもディフェンスも一級品ですね。しかし、この日のジョシュアの体調は、万全ではなかったように思います。