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WBC・WBO世界S・フェザー級王座統一戦(4月30日:日本時間5月1日)
(出典:WOWOW)
オスカル・バルデス(メキシコ)VSシャクール・スティーブンソン(アメリカ)
この試合が、一番楽しみですね。どんな展開になるのか、ホントに魅力的なカードです。年間最高試合候補ですよ。WOWOWオンデマンドで、5月1日午前頃から先行ライブ配信されます。
両選手のプロフィール
オスカル・バルデス(メキシコ)WBC世界S・フェザー級王者
30戦全勝23KO、31歳 オーソドックススタイル
身長166cm リーチ 168cm
2016年7月に世界フェザー級王座決定戦でTKO勝ちし、タイトルを獲得しました。6度防衛後、タイトルを返上し、WBC世界S・フェザー級王者ミゲール・ベルチェルトに挑戦し、10RKO勝ちでタイトルを獲得しました。バルデスの圧勝でしたね。しかし、初防衛戦では一転して、大苦戦。ロブソン・コンセイサンに何とか判定で勝ち、防衛に成功しましたが、バルデスの評価を大いに下げた試合でしたね。
シャクール・スティーブンソン(アメリカ)WBO世界S・フェザー級王者
17戦全勝9KO、24歳 サウスポースタイル
身長 170cm リーチ 173cm
デビュー3年目の2019年10月にWBO世界フェザー級タイトルを獲得しています。2021年には、WBO世界S・フェザー級暫定王者決定戦で、ジェレミア・ナカティラに判定勝ちして、2階級制覇に成功。10月に正規王者のジャメル・へリングに圧勝し、10RTKOで正規王座を獲得しました。この試合のスティーブンソンは本当に強かったですね。へリングに何もさせませんでした。
試合経過
序盤からスティーブンソンがペースをつかむ
ほぼ1ラウンドから最後まで、毎ラウンド、同じような展開でした。
スティーブンソンが右ジャブでバルデスをコントロールし、左のフックを打ち込み、バルデスのパンチは速いステップバックとボディワークで、ほとんど当てさせませんでした。試合途中に何度も笑みを浮かべて、余裕たっぷりの試合展開。ゲストの尾川選手が、何度も「スティーブンソンには本当に楽な試合」とコメントしていました。
中盤まで、スティーブンソンの右ジャブが邪魔で、バルデスはなかなか、中に入ることが出来ず、スティーブンソンの左フック、そしてストレート、ボディアッパーが面白いようにヒットします。
中盤はスティーブンソンのやりたい放題
6ランドのダウンは、バルデスがバランスを崩したところへ、スティーブンソンの右フックが当たって、ロープにもたれるようにダウンしましたが、ほとんどダメージのないスリップのようなダウンでした。
試合中盤は、さらにスティーブンソンの手数が増え、左はほぼ狙い打ち状態で、もう少し強く打ち込めば、倒せるような場面もありましたが、バルデスも踏ん張ります。しかし、試合は一方的で、これが王座統一戦とはとても思えない展開です。バルデスはまえにでるものの、パンチは空を切るばかりで、「まるでレッスンを受けている格下ボクサーのようですね。」(ジョー小泉さん:談)
倒してほしかった
スティーブンソンも10ラウンドあたりから、安全運転に切り替えていましたね。リスクを冒して倒しに行けば、スティーブンソンの人気ももっと上がるのに、残念です。
採点は、3-0(117-110,118-109,118-109)と、大差でスティーブンソンの判定勝ち。ジョー・小泉さんはおそらく、120-107だったのではないでしょうか。「わしボク」は、最終ラウンドのスティーブンソンの態度が気に入りませんでしたので、119-108でした。(残り10秒で両手を上げて、リングを回ったことです。これはバルガスに対して大変失礼ですね。)それにしても、117-110はないでしょう。
ゲストに来ていた尾川堅一選手の解説が的確で的を射ていたのが、この日の一番の収穫かもしれません。聞いていてとても参考になりました。