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ＷＢＯアジアパシフィックＳ・フェザー級タイトルマッチ（２０２１年７月７日）
ジョー・ノイナイ（フィリピン）VSリアム・ウィルソン（オーストラリア）
ジョー・ノイナイは、２２戦１８勝７KO２敗２分け。ＷＢＣ１２位、ＩＢＦ１４位、WBO５位。サウスポー。
２０１３年にデビューしてからしばらくは、ほとんど判定勝ちばっかりでしたが、２０１９年に坂晃典を２ＲにＫＯしてパンチの破壊力に目覚め、７月、清水聡に６ＲＴＫＯ勝ちしたときは驚きました。ＫＯの数は少ないですが、パンチ力はかなりありますよ。２０１９年１２月に尾川堅一と対戦していますが、これは残念ながら５Ｒ負傷引き分けに終わっています。しかし、「わしボク」としては、試合が続いていたなら、終盤に尾川が倒されていたと思っています。アジアではこのクラスで最強、パンチ力は十分世界を狙える破壊力を秘めています。
リアム・ウィルソンは、９戦全勝６KO。WBC世界Ｓ・フェザー級３９位。オーソドックス。
試合経過）
１Ｒ）
両選手がリング上で対峙すると、ウィルソンがやや大きく見えますね。いきなりノイナイがつっかけます。その後、ウィルソンがパワフルに反撃に転じます。おっと、ウィルソンが左にスイッチしました。
そして、ラウンド中盤、ノイナイの左がウィルソンのテンプルにヒットして、早くもダウンを奪います。ウィルソンはすぐに立って来ましたが、どうもウィルソンのサウスポースタイルは、付け焼刃でガードが甘くなる感じがします。
ウィルソンはまた右に戻しましたが、ノイナイが襲い掛かります。これは早いかもしれません。ノイナイの左はかなり伸びてきますね。
２Ｒ)
ウィルソンが前に出て、積極的に攻めます。ノイナイは左カウンターを狙っています。ウィルソンも前に出てパンチを放ちますが、ほとんど空を切ります。そして、ノイナイの左が飛んできます。
しかし、終盤、ウィルソンもノイナイをコーナーに詰めて、反撃。さすがオーストラリア期待のホープですね。
３Ｒ）
パンチの的確さが違いますね。特にノイナイの左はシャープです。フックも強そうです。ウィルソンはノイナイの左を経過して、やや攻め難そうですね。ノイナイは右をさほど多用しません。軽いジャブで距離を図り、左を打ち込むタイミングを計っています。
ウィルソンは圧力で前に出て、左のフックをヒットさせます。ノイナイはウィルソンの長い左ジャブが邪魔のようです。この回はウィルソンがやや打ち勝っている感じです。しかしゴング間際にノイナイの左がウィルソンをとらえました。
４Ｒ）
ノイナイは左を狙いすぎますね。ウィルソンもこれは読んでいるようです。ウィルソンの左ジャブが結構効果的ですが、右はノイナイの左を経過しすぎて、思い切りが足りません。
１分過ぎからノイナイが、前に出て攻め込みます。お互い左ジャブの差し合い。ウィルソンが距離を詰めてきましたが、ノイナイも左ボディブローをヒットさせ、コーナーに追い込んで、左フックでウィルソンの足が突っ張ったようになりロープにもたれかかります。その後もノイナイの連打でボディが効いて、最後は伝家の宝刀、左ストレートでウィルソンが２度目のダウンを喫します。あと５０秒。立ってきたウィルソンはかなりダメージがありそうです。
バタバタのウィルソンに、ノイナイの左が狙い撃ちのようにヒットし、ウィルソンは３度目のダウン！一応立ってきましたが、こうなったらもうノイナイは、左を狙い撃ちします。ウィルソンは必死でしがみつき、追撃を回避します。
５Ｒ）
ノイナイが前に出て、左ストレートをガンガン打ち込みます。ノイナイがウィルソンをロープに詰めて、左右の連打を叩き込みます。ウィルソンもパワーで押し返しますが、ノイナイの左ボディがヒットすると、また後退。ノイナイはもう、左を当てるタイミングだけを測っています。ノイナイはあまり右のリードを使わないので、ウィルソンも前に出てなんとか頑張って応戦します。
ノイナイの左がウィルソンの顔面とボディをとらえます。かなりダメージがあるはずですが、ウィルソンも結構頑張りますね。しかし、残り２０秒足らず、ノイナイの強烈な左ストレートがウィルソンの顔面をまともにとらえ、仰向けにダウンしたところで、ついにレフリーがストップしました。
ノイナイはサウスポーで、やや変則的なボクサーですが、左の破壊力は強烈ですね。右のジャブをもう少しうまく使えば、もっと楽に倒せるような気がします。しかし、あのいきなりの左ストレートは思った以上に伸びてくるので、かわすのは難しかもしれません。あの左は十分世界を狙えますよ。
