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バドゥ・ジャック(スウェーデン)VSルシアン・ビュテ(ルーマニア)
WBC世界Sミドル級タイトルマッチ(2016年4月30日)
(出典:WOWOW)
チャンピオンのジャックは20勝12KO1敗1分け、30歳。唯一の1敗は1RKO負けらしいですよ。
浜田さんのジャック評は「顔面を打たれれることを極端に嫌がる選手です。がっちりガードして、パンチは単発。打たれる危険性のある連打は打ちません」
久しぶりに登場したビュテは32勝25KO3敗、36歳になるんですね。イギリスに乗り込んで、カール・フロッチに惨敗してから低迷しています。WBC7位にランクしています。
この選手、前から思っていたんですが、リーチが短かく胴が長い、白人にしては結構不細工な体形をしてますね。身長186㎝でリーチが185㎝しかありません。
ジャックは身長184㎝ですがリーチは191㎝あります。
ジャックが地味なボクシングでポイントを稼ぐ
序盤、ジャックは左ジャブを多用し、サウスポーに対していきなりの右をボディにヒット。ボクシングのお手本ような堅実なボクシングを展開します。
一言でいうと「地味!」
ただ、左フックのあと肘を当てたり、右のボディショットはベルトラインすれすれを狙うなど、結構小ずるいテクニックも使います。
この日のレフリーはしっかり注意を与えていましたが。
(右ボディはベルトすれすれかもう少し下のパンチが目立ち、これが結構ビュテのガードを下げさせるのに有効でした)
ジャックは決してパンチを強振せず、コンパクトに当てることに専念。軽いパンチをヒットさせ、中盤のラウンドを支配しました。
唯一強振したのは、5ラウンドに、サウスポーにスイッチして打ち込んだ左クロスだけでした。
(この日のジャックのベストパンチ)
終盤ビュテが追い上げるが
常に前に出てパンチを出してたビュテですが、的中率が悪く、中盤は少し手数が減って、明らかに攻めあぐねていました。
終盤に少し手数の減ったジャックに対して、ようやくビュテが反撃に転じましたが、ボディが効いているのか、ジャックの右ボディがヒットすると動きが止まってしまいます。
結局最後までビュテの必殺の左フックは不発に終わり、不完全燃焼の12ラウンドが終了しました。
Sミドル級とは思えない軽いパンチの応酬で、最初の3ラウンドぐらいで「絶対にKO決着はない」と確信できるほど盛り上がりに欠ける試合でした。
1-0(117-111、114-114、114-114)のマジョリティドローでしたが、私は明確にジャックが勝っていたと思います。テクニックで一枚上手でした。
それにしても、Sミドル級の各団体のチャンピオンは押しなべて地味ですね。
WBAのフェリックス・シュトルム、ジョバンニ・カロリス、IBFのジェームス・デケール、WBOのヒルベルト・ラミレス。
カール・フロッチ、カムバックしないかな。
村田諒太、このチャンピオンたちなら危険なパンチがないから、とりあえず安心して戦えますよ。勝てるんじゃないかな~