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バーナード・ホプキンス(アメリカ)VSジョー・スミス(アメリカ)
WBCインタナショナルLヘビー級タイトルマッチ(2016年12月17日)
(出典:WOWOW)
ホプキンスはこの試合を最後に引退を表明しています。
66戦56勝32KO7敗2敗2NC、なんと51歳。
ジョー・スミスは23戦22勝18KO1敗、27歳。インタナショナルチャンピオンです。
WBC5位、WBA5位、WBO14位にランクしており、引退の花道を飾るにしては、とても危険な相手と言えるでしょう。
しかも、ホプキンスはセルゲイ・コバレフに判定負けしてから、2年ぶりの試合となります。
ホプキンスらしいボクシングを展開
スミスは体力で前に出てパンチを放つタイプです。
初回から、パワフルな連打でホプキンスをロープに詰めます。
しかし、ホプキンスはいつものように、これをクリンチでかわし、柔軟なディフェンスでクリーンヒットを許しません。
相変わらず、避け勘は抜群です。
隙を見ては速い右ストレートをヒットし、エネルギー消費を最小限に抑えた、実に奇妙なステップでスミスの攻撃を外します。
解説の西岡さんが「あのちょこちょこが、省エネステップ」と評価していましたが、とてもかっこいいとは言えませんね。
(相手が打たないと速い右ストレートを打ち込んできます)
スミスのクリーンヒットは多分、5ラウンドの右フック1発だけだったと思います。
(この右フックはホプキンスの顎をとらえました)
6ラウンドまでは一進一退の攻防でした。ホプキンスの持ち味を十分発揮し、若いスミスのパワーをうまくさばいていました。
しかし、7ラウンドあたりから、スミスのプレッシャーに押され気味で、ホプキンスの動きが少し悪なってきたように見えました。
スミスは細かいテクニックはないものの、持ち前の体力でホプキンスをロープに詰め、コンパクトなパンチを放ち、手数で圧倒し出します。
まさかのリング外転落
このままいくと、どうやらスミスの判定勝ちかな、と思っていたら、とんでもない幕切れが待っていました。
まず、スミスの右がホプキンスのテンプルにヒットし、ホプキンスがロープに腰を落としかけます。
(この右フックが効いた感じです)
そして、体勢が崩れたホプキンスに、スミスが左右のパンチをヒットしました。
(右も左もホプキンスの顔面をとらえています)
最後の左フックでホプキンスの体が完全にリング外にでてしまい、そのまま転落しました。
どうやら頭を打ったようですが、意識はしっかりしており、転落の際に足を痛めて試合続行を諦めたようです。
(スミスの右でホプキンスの体は完全にリングの外へ)
それにしても、ホプキンスのラストファイトは、実にホプキンスらしい幕切れでした。なんと、ホプキンスはキャリア初のKO負け。
勝ったスミスは確かにパワーがありますが、ボクシングスキルは今一つですね。
とても界チャンピオンの器ではありません。
ホセリオ・ベラスケス(メキシコ、帝拳)VSエドゥアルド・カシメロ(メキシコ)
フライ級4回戦
(出典:WOWOW)
ベラスケスはリオ五輪に出場し、ベスト16で金メダルを取った選手に判定負けしています。
帝拳ジムとプロモート契約をし、これがデビュー戦です。
カシメロは8戦5勝3敗、21歳。
ベラスケスは23歳、身長163㎝です。
ベラスケスの左ジャブは速いですね。動きにスピードがありバランスもとてもよく、4回戦の選手の動きではありません。
浜田さんは「4年後ぐらいに世界を狙う」と言っていますが、もっと早くてもいいのではないかと思います。
試合は実にあっけなく終わりました。
ベラスケス左のボディブローがダブルで決まり、とどめの左フックをカシメロの顔面にたたきつけたら、少し間があってから、カシメロがしゃがみ込みました。
(この左ボディブローのダブルが効きましたね)
(とどめの左フックでカシメロがしゃがみ込みました)
日本ならデビュー戦でA級ボクサーと対戦させるでしょうね。
2戦目ぐらいで世界ランカーを相手にできるぐらいの実力はありそうです。