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ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)VSユリオルキス・ガンボア(キューバ)

WBA世界ライト悠王座決定戦(2019年12月28日)
デービスは、22戦全勝21KO、25歳のサウスポー。WBA1位。166cm。
フロイド・メイウェザーの秘蔵っ子。2019年9月にWBA世界S・フェザー級王座を返上し、ライト級に階級を上げてきました。ワシル・ロマチェンコにとって、一番危険な相手かもしれません。
ガンボアは、32戦30勝18KO2敗、37歳。WBA2位。166cm。
2014年にテレンス・クロフォードにTKO負けしたからは、やや低迷していた感じですが、今年の7月にローマン・マルチネスに2RKO勝ちして、久しぶりに世界戦のチャンスをつかみました。
試合経過)
デービスが2ラウンドにダウンを奪う
デービスが、右ジャブを突いて前に出ます。ガンボアは下がりながら左ジャブで距離をとります。スピードはデービスの方がありそうです。
そして2ラウンド中盤、デービスが右のジャブから左アッパーで早くもダウンを奪います。ガンボアはすぐに立ってきましたが、結構ダメージはありそうです。しかし、足取りの怪しいガンボアに、デービスはとどめを刺すことはできませんでした。
どうやら、ガンボアは右足を痛めたようですね。ギブアップかと思われましたが、試合は続行されました。
右脚を痛めたガンボアが粘る
このまま、デービスが押し切るかと思いましたが、ハンデを背負ったガンボアが苦しい展開ながらも、予想以上に粘りを見せます。デービスは随所にいいパンチをヒットさせますが、ガンボアは足を引きずりながら、留めのパンチを打たせません。5ラウンドは相当いいパンチをもらい、何度もピンチを迎えますが、老獪なテクニックで乗り切ります。
8ラウンドに2度目のダウンを奪うが
しかし6ラウンドから、突貫小僧にやや勢いがなくなります。小休止かと思われましたが、明らかに前半に比べると、手数が減ってきています。
8ラウンドは、デービスが下がり始めます。息を吹き返した感じのガンボアが、何とかペースを変えようとしますが、前に出るガンボアにデービスの左フックがヒットし、ガンボアが2度目のダウンを喫します。かなりダメージがありましたが、ここはゴングに救われます。
デービスが失速?
9ラウンド、倒しに行ったデービスですが、ガンボアに粘られ、ラウンド終盤は息があがって、手が止まります。10ラウンドは、ガンボアのパンチを不用意にもらう場面も見られ、明らかに集中力を欠いています。それでもペースは譲るまでには至りません。
11ラウンド終盤に、デービスの連打で、ガンボアがダウン寸前まで追い込まれますが、ここも何とかゴングまで持ちこたえます。
最後は意地のTKO
早い回でのKO決着かと思われました、ガンボアが足を引きずりながら、最終ラウンドまで粘りました。デービスは何度もKOチャンスがありながら、倒し切れません。
そして、最終ラウンド、デービスが最後の力を振り絞って、倒しに行きます。1分過ぎ、デービスの左アッパーがガンボをとらえると、ガンボアの体が硬直します。すかさずデービスが左アッパーを狙い打ちし、ガンボアがこの日3度目のダウンを喫します。さすがにフルスイングのアッパーをまともに顎に受けては、ガンボアも立つことが出来ません。レフリーがすぐに試合をストップしました。
ガンボアが、12RTKO勝ちで、2階級制覇を達成しました。
「わしボク」の節穴の「目」
最後はパワーでねじ伏せた
前日計量で1度目はオーバーし、2度目の軽量でクリアしています。いつものことかもしれませんが、この日のデービスは、調整が万全ではなかった気がします。
本来のデービスなら、序盤にダウンを奪った時点で、早い回で試合を決めていたでしょうが、ガンボアの老獪なテクニックに粘られてしまい、後半はやや失速してしまいました。しかし、最後はパワーでねじ伏せた感じですね。パワーはライト級でナンバー1かもしれません。一方のガンボアは、これで世界戦線から完全に脱落ですね。
それと、今年の2月に暴行容疑でまた逮捕されましたね。この素行の悪さにはあきれてものが言えません。日本ならすぐにライセンス取り消しになるでしょうね。
ライト級最強は誰か
ライト級は、非常に魅力的な選手がそろっていますね。レベル的にも全階級を通じて、トップクラスだと思います。
1位 ライアン・ガルシア(アメリカ)20戦全勝17KO WBA2位 21歳
フランシスコ・フォンセカを一発で沈めた左フックは、ロマチェンコにとっては脅威でしょうね。
2位 ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)3団体王者 15戦14勝10KO1敗 31歳
ボクシングスキルなら、全階級を通じてダントツのナンバー1でしょう。
3位 ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)WBA王者 23戦全勝22KO 25歳
4位 デビン・ヘイニー(アメリカ) WBC王者 24戦全勝15KO 21歳
ネームバリューは劣りますが、「わしボク」は、ティオフィモ・ロペスより将来性を感じます。まだ21歳ですからね。
5位 テオフィモ・ロペス(メキシコ) IBF王者 15戦全勝12KO 22歳
リチャード・コミ―を一発で倒した破壊力はトップクラスですが、攻撃パターンがやや単調だと思います。
日本勢も頑張っています
ホルヘ・リナレス(帝拳・ベネズエラ) WBA3位 52戦47勝29KO5敗 34歳
再起第二戦でカルロス・モラレスを倒した右フックは、技ありのKOでしたね。
吉野修一郎(三迫) WBO13位 12戦全勝10KO 28歳
KO率83%は魅力ですね。
中谷正義(井岡) IBF8位 19戦18勝12KO1敗 30歳
テオフィモ・ロペスに善戦し、この試合でロペスの評価が一気に下がりましたね。