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波田大和(帝拳)VS石井龍誠(伴流)
日本ユース・S・フェザー級王座決定戦(2020年2月1日)
波田は、10戦9勝9KO1敗、23歳のサウスポー。
アマチュアでは、インターハイと国体で準優勝の実績があります。勝った試合はすべてKOという剛腕ファイターです。
石井は、14戦8勝5KO5敗1分け、23歳のサウスポー。日本ライト級10位。
ユースタイトルは、2度目の挑戦となります。
ちなみに、ユースタイトルとは、2018年に日本ボクシングコミッションが認定したタイトルで、年齢が17歳以上24歳未満、他のタイトルを獲得していない、といった条件があります。
試合経過)
1R)終盤に波田の右フックがヒット
長身の石井が右ジャブを突いて、距離をとります。旗がじわじわと距離を詰めます。しかし、石井の長いワンツーがヒットします。ラウンド終盤、波田の右フックが石井の顎をとらえ、石井がバランスを崩します。一気に波田が連打で攻め立てますが、力みすぎてやや攻撃が雑です。
2R)波田が左フックでダウンを奪う
初回に比べると、やや距離が詰まった感じがします。そして、開始30秒、強引に打って出た波田の左フックが石井の顔面をとらえ、さらに波田の左がカウンターでヒットし、石井がダウンしました。
すぐに立ってきた石井に、波田が襲い掛かります。石井も大きなパンチを振って応戦します。ここで、クリンチ。波田は石井のカウンターを警戒し、強引に攻め立てません。石井は鼻から出血しています。
ラスト30秒、波田がまた強引に打って出ますが、やや力みすぎてパンチが空を切ります。石井はガードは低いですが、ボディワークが巧みで、波田になかなかクリーンヒットを許しません。しかし、残り6秒のところで、波田の左フックがカウンター気味にヒットし、石井が大きく体勢を崩しましたが、ここはゴングに救われます。
3R)左を狙いすぎる波田
距離を詰めて、波田がワンツーを放ちますが、石井はその打ち終わりを狙っています。波田もそれを警戒して、容易にステップインできません。波田は左ストレートを狙いすぎて、やや手数が減っています。石井の長い右フックも邪魔でしょうね。
しかし、2分過ぎから、波田がまた距離を詰めて、連打を畳みかけます。ガードの低い石井は、ボディワークだけでは、かわし切れませんね。
4R)石井が距離をキープ
前半は石井が距離をとり、波田はなかなか攻め込むチャンスがありません。しかし、中盤、距離が詰まると、一気に波田がパンチを打ち込みます。石井も負けずに打ち合います。この回は波田の右フックが効果的にヒットしています。
5R)最後は右ストレート
序盤は石井が距離をキープしていましたが。距離が詰まると、一気に波田が攻め込みます。両者とも打ち終わりに隙が出来、お互いにそれを狙っています。
やや攻めあぐねていた波田でしたが、石井が不用意に出した右ストレートに、波田の左がカウンター気味にヒットし、大きくバランスを崩します。ここから、一気に波田が、石井をロープに詰めて連打を放ちます。石井もロープを背にして応戦しますが、波田の左ストレートが石井の顎をとらえ、返しの右ストレートを打ち込んだところで、レフリーが割って入り、試合をストップしました。
石井の変則スタイルと距離の長さにてこずりましたが、パンチは左も右も強いですね。右フックをうまく使えば、もっと早く倒せたと思います。