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ホルヘ・リナレス(ベネズエラ・帝拳)VSアル・トヨゴン(フィリピン)
137ポンド契約10回戦(2019年9月7日)
リナレスは、50戦45勝28JO8敗、34歳。WBCライト級11位・WBAライト級10位
S・ライト級に階級を上げて、世界を狙っていましたが、今年1月にフリオ・セサール・カノにまさかの1RKO負け。階級をライト級戻し、日本で再出発します。
トヨゴンは、14戦10勝6KO4敗1分け、21歳。フィリピンS・フェザー級5位。
7月6日に正木脩也と対戦し、大差で判定負けしています。元WBCアジアS・フェザー級シルバー王者。
ライト級のリミットが135ポンドですから、約1キロほど重い契約ウェイトですね。トヨゴンは、S・フェザー級の選手ですから、体格ではリナレスがかなり大きいでしょう。この試合は、永野祐樹の日本ウェルター級タイトルマッチのセミファイナルとして行われます。
試合経過)
1R)
相変わらずリナレスの左ジャブは速いですね。しかし、トヨゴンも負けずにジャブを放ちます。ホルヘの左ボディブローがヒットし、トヨゴンが下がります。トヨゴンも結構、強気に応戦していきます。
2R)
トヨゴンが前に出ます。リナレスのボディブローがヒットしていますが、トヨゴンはおかまいなしに、前に出てパンチを放ってきます。ホルヘのキレのあるアッパーがトヨゴンの顎をとらえますが、トヨゴンはボディワークでパンチを殺していますね。前に出るトヨゴンに、リナレスの左ボディがきれいにヒットします。しかし、トヨゴンはタフですね。ガンガン前に出てパンチを放ってきます。
3R)
このラウンドもトヨゴンが前に出てパンチを放ってきます。それにしてもリナレスのパンチはシャープですね。中盤は、リナレスが上下にパンチを打ち分け、トヨゴンを圧倒します。パンチのキレ、テクニックはリナレスが完全に上回っていますが、トヨゴンはとにかくタフです。
4R)
リナレスはトヨゴンのパンチを見切っていますね。前に出てパンチを放つトヨゴンに対して、リナレスは、キレのあるボディブローから上下にパンチをヒットしています。ところが、残り2分余りのところで、トヨゴンの大きな左フックをもらいリナレスが体勢を崩します。
トヨゴンの猛追をボディワークでかわしましたが、ヒヤッとしましたね。何とか立て直したリナレスが、終盤は右フックから左右の連打でトヨゴンを追いつめます。さすがのトヨゴンもリナレスの執拗なボディブローが効いてきたようです。
5R)
トヨゴンはホントにタフですね。この回も積極的に打って出ます。リナレスも左右のダブルをボディにヒットして、かなりダメージはあるはずですが、それでもトヨゴンは前に出てパンチを放ってきます。
残り1分のところで、リナレスの右ストレート打ち下ろしがヒットし、トヨゴンの膝が折れました。そして、執拗にボディブローがトヨゴンのわき腹をえぐります。ここで、トヨゴンの頭からの前進に対して、減点が与えられます。
6R)
リナレスの左ジャブは相変わらずシャープです。リナレスの左ボディボディは、かなり効いているはずですが、トヨゴンの動きは止まりません。しかし、さすがに手数は減ってきましたね。
7R)
この回はまたトヨゴンが前に出て、積極的にパンチを放ってきます。しかし、リナレスは少しずつトヨゴンの体力を削っている感じです。強引にパンチを放ってくるトヨゴンに対して、リナレスはコンパクトなパンチを返しています。それにしてもリナレスのボディブローが相当ダメージを与えているはずですが、トヨゴンの動きは止まりません。
8R)
序盤、リナレスが一気に攻め立てましたが、トヨゴンも負けじと打ち返してきます。中盤もリナレスの左アッパーからフックをヒットしましたが、トヨゴンはお構いなしに反撃に転じてきます。左右のボディブローで下がったトヨゴン、しかしそこからの追撃を許しません。
9R)
前に出るトヨゴンに、リナレスはコンパクトなパンチを返します。ホントにうまいですね。しかし、トヨゴンは大きなパンチを振って前に出ます。まだまだスタミナは残っていますよ。ホントにタフな選手です。リナレスのボディブローをこれだけもらって、ケロッとしている選手はなかなかいないでしょう。
10R)
まさかの最終ラウンドです。トヨゴンが強引に前に出ます。こうなるともうリナレスのボディブローでは倒れないでしょうね。リナレスも、倒すのをあきらめたような動きです。相変わらずリナレスのシャープなパンチがトヨゴンをとらえますが、それでもトヨゴンは前に出ます。終盤のリナレスの連打も耐えたトヨゴンは、最終ラウンドのゴングを聞きました。
判定は3-0(99-90、100-90、100ー89)の大差で、リナレスの勝利。
トヨゴンがタフでも、リナレスのパンチ力は確実に落ちていますね。全盛期のリナレスなら、この程度の相手なら、前半で倒していたでしょう。これから「ライト級で世界」は、ちょっと厳しかもしれません。