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ラウシー・ウォーレン(アメリカ)VSノルディン・ウーバーリ(フランス)
WBC世界バンタム級王座決定戦(2019年1月20日)
ウォーレンは、19戦16勝4KO2敗1NC、31歳。元WBAチャンピオン。WBC3位。
ウーバーリは、14戦全勝11KO、32歳。WBC1位。
サウスポー対決です。ウーバーリは筋肉質のガッチリした体格をしています。いかにもパンチ力がありそうな背中の筋肉ですね。勝者は、暫定王者の井上拓真と決定戦を行うことになっています。
暖簾に腕押しのウォーレン
ウーバーリが愚直に前に出て、左右のパンチを放ちますが、ウォーレンの柔らかボディワークにかわされ、まるで暖簾にパンチを打ちこんでいるような感じです。序盤は、ウォーレンが速い右ジャブで距離を支配します。しかし、ウォーレンの左右のパンチはいかにも軽い感じですね。
手数ではウーバーリですが、軽いながらも的確にパンチをヒットさせているのはウォーレンです。ウォーレンは、ほぼウーバーリの攻撃を読んでいるようで、中盤はかなり余裕を持ってボクシングをしているように見えます。
調子に乗りすぎたウォーレン
7ラウンド終盤、調子に乗って攻め込んだウォーレンに、ウーバーリの左フックがカウンターでヒットします。ここで一気にウーバーレンが左右のフックを畳みかけます。しかし、ウォーレンはクリンチでここを回避します。
ここから、ウーバーリのプレッシャーが強くなってきます。ウォーレンは右ジャブとボディワークで追撃を許しませんが、中盤の余裕はなくなっています。
ウォーレンがポイント挽回をはかるが
9ラウンドは、ウォーレンが手数を増やし、反撃に転じます。前に出るのはウォーレンです。ウーバリーは下がりながら、時折、飛び込んで強いパンチを放ちます。しかし、10ラウンドは、またウーバリーが前に出ます。ウォーレンも果敢に打ち返しますが、やや大振りで、パンチの精度も落ちています。ウォーレンは、ポイントで劣勢だと思っているのか、結構積極的にパンチを放ちます。
11ラウンドはウォーレンが結構いいパンチをヒットさせますが、やはり非力でウーバーリにダメージを与えるまでには至りません。ウーバーリはややスタミナが切れてきたのか、手数が減ってきました。ウォーレンもやや力みすぎて、パンチの精度を欠いています。
最終ラウンドは、両者手数を出して、撃ち合います。下がりながら、ウーバーリが左をヒット。前に出るウォーレンはやや攻撃が雑で、打ち終わりにウーバーリがパンチを返します。
かなり微妙な判定ですね。
判定は、3-0(115-113、116-112、117-111)でウーバーリがタイトルを獲得しました。しかし、117-111はないでしょう。
さて、これで井上拓真相手が決まりましたね。井上としては、サウスポーなら、ウォーレンよりウーバーリの方が戦いやすいと思います。ただ、ウーバーリの左は強そうなので、要注意です。