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ダニエル・ジェイコブス(アメリカ)VSセルゲイ・デレビヤンチェンコ(ウクライナ)
IBF世界ミドル級王座決定戦(2018年10月27日)
(出典:WOWOW)
ジェイコブスは、36戦34勝29KO2敗、31歳。IBF2位。
昨年3月にゴロフキンと王座統一戦を行い、ダウンを奪われながらも後半盛り返しましたが、善戦むなしく判定で敗れ、WBA王座を失いました。
その後2連勝して、再び王座獲得のチャンスを掴んでいます。
デレビヤンチェンコは、12戦全勝10KO、32歳。IBF1位。
KO率ほど一発のパンチ力はなさそうですが、分厚い胸板はパワフルなファイターという感じがしますね。
初回のダウンが勝敗を分ける
スラリとした体型のジェイコブスに対し、7㎝低いデレビヤンチェンコ(長い名前ですね、今後は「デレビ」で勘弁してください)は、ガッチリした体型で、いかにもパワーがありそうな感じがします。
そのパワフルなデレビが前に出てプレッシャーをかけ、ジェイコブスは下がりながら左ジャブで距離を取ります。
その初回の終了間際に、ジェイコブスが連打でデレビをロープに追いつめ、打ち下ろし気味の右フックをデレビのテンプルにヒットし、ダウンを奪います。
(やはり一発のパンチ力はジェイコブスが上ですね。しかしこのダウンで、ジェイコブスはちょっと余裕を持ちすぎた気がします)
デレビは、一旦手をついてすぐに立ちあがりましたが、レフリーはダウンと裁定。カウント8で試合は再開されましたが、すぐにゴングが鳴り、ジェイコブスの追撃は2ラウンドに持ち越されます。
その後は一進一退
しかし、2ラウンドからは、デレビもダウンのダメージを感じさせず、前に出てジェイコブスを追いつめます。
ジェイコブスも巧みなボディワークで、デレビにクリーンヒットを許さず、右のカウンターで応戦します。
デレビは、距離を詰めるのが上手いですね。そしてワンツーは基本に忠実で、ジェイコブスをのけぞらせます。
ジェイコブスも右の打ち下ろしを叩き込み、デレビに腰を落とさせますが、如何せんパンチが単発で、クリーンヒットではジェイコブスですが、手数はデレビが圧倒しています。
そして、ラウンドごとにペースが入れ替わるシーソーゲームが続きます。ジェイコブスはダウンを奪っているものの、ポイントは微妙になっていきます。
終盤デレビがやや失速
終盤になっても、デレビの手数は衰えることがなく、前に出るデレビ、下がりながら打ち終わりを狙うジェイコブス、という構図は変わりません。
ただ、デレビのパンチにややパワーがなくなり、逆にジェイコブスの手数が増えてきました。
一発のパンチの威力は、ジェイコブスの方がありますね。特に右の打ち下ろしで、何度かデレビが腰を落としましたが、デレビのスタミナは最後まで落ちることがなく、必ず打ち返してきます。
クリーンヒットの数では、ジェイコブスですが、常に前に出て攻めていたのは、デレビです。
「わしボク」は、終盤に盛り返したジェイコブスにポイントを与え、115-112。
公式ジャッジは、2-1(113-114、115-112,115-112)でジェイコブスの判定勝ち。
しかし、負けたデレビヤンチェンコもかなりの実力者ですよ。
2人とも、村田諒太に勝ったロブ・ブラントより上ですね。
すごい顔ぶれのミドル級
とにかく、ミドル級はすごい顔ぶれが揃ったもんです。強引な「わしボク」ランキングには、スター級がごろごろいますよ。
1位 カネロ・アルバレス(メキシコ)
2位 ジャーマル・チャーロ(アメリカ)
3位 ゲンナディ・ゴロフキン(カザフスタン)
4位 ビリー・ジョー・サンダース(イギリス)
5位 ダニエル・ジェイコブス(アメリカ)
6位 セルゲイ・デレビヤンチェンコ(ウクライナ)
7位 デメトリアス・アンドレイド(アメリカ)
8位 デビッド・レミュー(カナダ)
9位 ロブ・ブラント(アメリカ)
10位 村田諒太(帝拳)
4位のサンダースは、薬物疑惑があり、ランキングに載せるのはちょっと問題があるかもしれませんね。10位の村田は「おまけ」です。