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ビリー・ディブ(オーストラリア)VSテビン・ファーマー(アメリカ)
IBF世界S・フェザー級王座決定戦(2018年8月3日)
(出典:WOWOW)
ディブは、49戦43勝24KO4敗2NC、32歳。IBF3位。
2015年に三浦隆司さんに挑戦し、3RTKO負けでタイトル奪取に失敗しています。その後は5戦4勝1KO1NCで世界戦線に再浮上してきました。
ファーマーは、31戦25勝5KO4敗1NC、28歳のサウスポー。IBF4位。
昨年12月に尾川堅一と王座決定戦を行い、判定で敗れたものの、その後、尾川がドーピング検査で禁止薬物が検出され、無効試合となっています。
それにしてもわずか「5KO、KO率16%」は驚くべき数字ですね。最初は何かの間違いかと思ったほどです。
リングが狭いので押し合い?
実況の高柳さんが言う通り、ヘビー級でもないのにリングがかなり狭く見えました。
そのせいかどうか、とにかく両者がもみ合うシーンが多く、特にディブはパンチより先に体や頭の方があたる酷いボクシングです。パンチと一緒に体が突っ込んでいき、ファーマーは仕方なくクリンチ。そしてもみ合い。
それでも、ファーマーは、下がりながら左アッパーのボディブローをヒットさせ、ディブが前に出てこない時は、ポンポンと軽い(ホントに蚊も殺せないほど)パンチをヒットして、序盤からペースをつかみます。
8ラウンドまで押しあってはクリンチ、もみ合ってはクリンチが続き、合間を縫ってファーマーの軽いパンチがヒットするだけの、とんでもなく退屈なラウンドが続きます。
9ラウンドからやっとボクシング
まあ、いくら軽いと言っても長いラウンド、パンチをもらい続ければ効いてきます。
一方のディブがパンチを当てたのは、9ラウンドにロープに詰まって放ったレフリーへの左フックだけでしょう。
しかも、レフリーはケロッとしていました。ここが、この試合で一番面白い場面でしたね。
そして、この回、タイミングよくファーマーの左フックがディブの顎をとらえると、一瞬遅れてディブがダウンしました。
(左フックがタイミングよくディブの顎をとらえ、やや遅れてダウン)
疲れたところへもらったパンチなので、かなりダメージは深刻です。
立ってきたディブに、ファーマーが襲い掛かります。
悲しいかな、ファーマーはKO勝ちの経験があまりにも少ないので、とどめをさすパンチが大振りで、仕留めきれません。
10ラウンドも倒しに来たファーマーですが、老獪なディブのもみ合いにごまかされ、倒し切れません。
その後は、ファーマーも安全運転で、12ラウンドを消化しました。
判定はもちろん3-0(118-109,117-108、120-107)でファーマーがやっとタイトルを獲得しました。
何を考えて試合をしていたのかわからないディブは、試合後、引退を表明しました。妥当な判断ですね。
勝ったファーマーは、10月にジェームス・デニーソン(イギリス)になんと5RKO勝ちして、初防衛に成功しています。