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レイ・バルガス(メキシコ)VSアザト・ホバニシヤン(アルメニア)
WBC世界S・バンタム級タイトルマッチ(2018年5月12日)
バルガスは、31戦全勝22KO、27歳。
KO率の高いバルガスですが、世界戦3戦はまだKO勝ち一度もがありません。長いリーチを使っての左ボディは、見た目かなり強烈な感じがしますが、最近「わしボク」は、「バルガスはそれほどパンチ力がないのでは」と疑問に思うようになってきました。
ホバニシヤンは、16戦14勝11KO2敗、29歳。WBC8位。
このあたりで鮮烈なKO劇を演じ、KO率70%の数字を実証してほしいものですね。
猪ボクサーに弱い?バルガス
長身のバルガスは、どうやらガンガン前に出てくる「猪ボクサー」が苦手のようです。
10㎝ほど背の低いホバニシヤンですが、そのハンデをカバーするだけの突進力があります。
速い踏み込みで、左右のフックをガンガン打ち込んできます。
何とか距離を取ろうとするバルガスですが、なかなかホバニシヤンの前進を止めることが来ません。
そして、初回からホバニシヤンの右ストレートをカウンターでもらい、腰を落とすピンチにさらされます。
かなり効いたようですが、何とかこの回を凌ぎます。
2ラウンドからもホバニシヤンの突進は止まりませんが、少し落ち着きを取り戻したバルガスは、ボディブローで応戦します。
ペースを取り戻したバルガスが上手く距離を取り、ホバニシヤンの前進をうまく捌き、ホバニシヤンのパンチが空を切るようになります。
油断禁物、バルガスがまたピンチ
中盤、ホバニシヤンの動きが読め、やや余裕が出てきたバルガスでしたが、5ラウンド終盤、今度はホバニシヤンの左フックがバルガスの顎をとらえます。
スエーでうまくホバニシヤンのパンチを見切っていたバルガスの、一瞬の隙をつかれましたね。
大きく体勢を崩したバルガスに、ホバニシヤンが襲い掛かります。この回はゴングに救われたバルガスですが、かなりダメージがあるようです。
その後はまたホバニシヤンの突進に押され、得意のボディブローでもその前進を止めることが出来ません。
ホバニシヤンが失速
ほぼ防戦一方に追い込まれたバルガスは、ホバニシヤンの疲れに救われます。
8ラウンドあたりから、ホバニシヤンのプレッシャーが少し弱くなり、手数も減ってきます。
踏み込みが甘く、接近戦でのもみ合いが多くなり、お互いが少し休んでいる感じです。
バルガスのボディブローもようやく効いていたようで、ホバニシヤンの動きもかなり鈍くなってきました。
しかし、応戦するバルガスも、完全にはホバニシヤンの前進を止めるだけのパンチのパワーがありません。
最後に倒しに来たホバニシヤン
11ラウンドにまたホバニシヤン最後の力を振り絞り、左フック3発で、バルガスが足に来た感じです。
バルガスもテクニックではホバニシヤンに負けていませんので、それ以上のパンチをもらうことはありませんが、完全にホバニシヤンに押されっぱなしで最終回のゴングを聞きます。
バルガスは、またもや判定決着となってしまいました。
私の採点は114-114のドローです。
しかし、公式ジャッジは3-0(118-110,117-111,116-112)でバルガスの明確な勝利を支持しています。
8ポイントも差をつけたジャッジの目を疑いますね。バルガスがダメージを与えたパンチは、左ボディブローだけですよ。
バルガスは、そろそろ名のある挑戦者に圧勝して、汚名を返上しないと、このままでは、「腰抜けチャンピオン」と言われても仕方がないですね。