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ジャック・テポラ(フィリピン)VSエディバルト・オルテガ(メキシコ)
WBA世界フェザー級暫定王座決定戦(2018年7月15日)
(出典:WOWOW)
テポラは、21戦全勝16KO、22歳のサウスポー。WBA2位。IBF10位。
パッキャオの後継者と言われていますが、フィリピンのホープのほとんどがそう呼ばれているような気がします。
オルテガは、28戦25勝12KO1敗1分け。28歳、こちらもサウスポーです。WBA3位。
メキシコの典型的な中堅ボクサーという感じですね。
この試合は、暫定王者のヘスス・マヌエル・ロハス(プエルトリコ)が正規王者に昇格したので、空位になった?暫定王座を決定するために行われます。
しかし、暫定王座が空位になるという意味が分かりません。WBAは相変わらず不可解なタイトルマッチを量産してますね。
フェザー級はたくさん世界チャンピオンがいますよ。
WBAスーパーチャンピオン レオ・サンタ・クルス(メキシコ)
WBA正規チャンピオン ヘスス・マヌエル・ロハス(プエルトリコ)
WBCチャンピオン ゲーリー・ラッセル(アメリカ)
IBFチャンピオン ジョシュ・ウォーリントン(イギリス)
WBOチャンピオン オスカル・バルデス(メキシコ)
WBO暫定チャンピオン カール・フランプトン(イギリス)
すでに6人もいるところへ、この日は7人目のチャンピオンが誕生するということになります。
これはWBSS(ワールドボクシングスーパーシリーズ)でもやって、とりあえず一回整理した方がよさそうですね。
パンチはあるがガードの甘いテポラ
様子見のオルテガに対して、テポラが先に仕掛けます。
テポラの左ボディブローがヒットし、オルテガの腰が少し落ちかけロープに詰まります。
ひょっとしたここで一気にテポラが決めるかと思いましたが、オルテガも落ち着いてここを捌きます。
ガードの甘いテポラに軽い右フックをヒットさせ、テポラの勢いを止めます。
退屈なラウンドが続く
2ラウンドに入ると、テポラの強引なボディ攻撃が減り、下がりながらボディへのカウンターを放つようになります。
3ラウンドぐらいから、テポラのガードの甘さが目立ち、オルテガの地味なボクシングがペースをつかみます。
テポラは、手数が減り、消極的になってきて、逆にオルテガの動きにリズムが出てきました。
テポラのパンチは大振りで、ガードのしっかりしたオルテガにはなかなかヒットしません。
しかし、ボディへのパンチはまだまだ威力がありそうです。一方のオルテガのパンチは軽いので、テポラにはダメージをほとんど与えていない感じです。
テポラは右ジャブが少ないですね。いきなりの左はオルテガに読まれています。
このままですと、オルテガが地味~に判定でタイトルを獲得するかもしれません。
テポラもオルテガのパンチにスピードがないので、ガードの甘さを露呈しながらも、それほど連打をもらうことはありません。
それにしても、パッキャオの後継者は、消極的なボクシングですね。
パンチのスピードはテポラの方がありそうですが、いかんせんパンチが大振り。空を切る場面が目立ちます。
中盤は、ホントに退屈なラウンドが続いています。
しかし、顔の腫れをみると、オルテガの方がかなりひどいですね。
クリーンヒットはオルテガの方が多いような気がしますが、やはりパンチ力の差でしょうか。
狙いすました左アッパーがさく裂
9ラウンド。オルテガが連打でテポラに攻勢をかけたときに、テポラの左フックがカウンターでヒットしました。
これはちょっと効いたかもしれません。
でも、前に出るのはオルテガです。
ここで、テポラのグローブのテープがはがれタイム。
その後テポラが意を決したように、少し強めにパンチを放つようになります。
そして、接近戦の攻防で、テポラの右フックがオルテガのテンプルをとらえ、頭が下がったところへ狙いすました右アッパーを打ち抜くと、オルテガがたまらずダウン。
やはりパンチはありますね。
オルテガは何とか立ってきました。残り30秒弱。
さあ、ここからテポラが一気に攻めます。
最後は、リング中央でテポラが連打を浴びせ、レフリーが試合をストップしました。
テポラは左を痛めていたのでしょうか。それも初回に。とにかく2ラウンド以降の不甲斐ないボクシングは、パッキャオの後継者とは、とても言えないものでした。
ガードの甘さ、大振りのパンチ。この暫定チャンピオンは穴が多すぎます。