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アフタンディル・クルツィゼ(ジョージア)VSトミー・ラングフォード(イギリス)
WBO世界ミドル級暫定王座決定戦(2017年4月22日)
(出典:WOWOW)
クルツィゼは36戦32勝21KO2敗2分け、37歳。167㎝とミドル級としては非常に背が低いのが特徴です。
2010年にアッサン・エンダムに挑戦し惜敗しています。
ジョージアという国は初めて耳にしましたが、調べてみますと、以前はグルジアと呼ばれ、トルコの東側に位置する小さな国です。
ラングフォードは18戦全勝6KO、27歳。イギリス期待のホープです。
しかし、ミドル級で6KOとは、あまりにも非力な感じがします。
戦前の予想では、クルツィゼが有利だったようですが、実は、私はラングフォードが判定で勝つような気がしていました。
クルツィゼの突進を捌ききれない
2人がリング上で対峙しますと、ラングフォードがかなり長身に見えますが、恐らく180㎝ぐらいで、ミドル級としては普通のサイズだと思います。
ミドル級のタイソンの異名をもつ?クルツィゼは当然のごとくプレッシャーをかけて前進し、ラングフォードが左ジャブでこれを捌きます。
しかし、ラングフォードの軽いパンチでは、とてもクルツィゼの突進を止めることが出来ません。
ロープに詰まってクリンチで逃げます。ブレイクでいったん離れますが、またクルツィゼが追いつめます。
あ~この退屈な展開が12ラウンド続くのかな、と早くもうんざりした次第です。
4ランドまでこの攻防が続き、時折振るうクルツィゼの左フックがヒットし、ラングフォードとしては苦しい展開を強いられます。
唐突に左フック一発で沈む
それでも、3ラウンドぐらいからラングフォードは足を使い、ワンツーをヒットさせて、少しずつ自分の距離をキープする時間が増えてきました。
しかし、油断したのでしょうか、5ラウンド開始早々に、ラングフォードが放った少し軌道のおかしな右の打ち終わりを狙い、クルツィゼが左フックを強振。見事にノーガードになったラングフォードの顎をとらえました。
(ラングフォードの右の打ち終わりにクルツィゼの左フックがヒット)
(打ち下ろしのような右の打ち終わりの、がら空きの顎を左フックがとらえる)
西岡利晃さんは「この右の打ち方がおかしいので、すぐにガードポジションに戻れなかった」と解説。なるほどね。
(完璧に顎をとらえて打ち抜いています)
なんとか立ち上がったラングフォードですが、足元がふらつき、レフリーがストップしました。
やはり、6KOしかないラングフォードのパンチは非力でした。これ以上の上積みはないでしょう。
クルツィゼの左フックは、最初から狙っていましたね。
暫定王座決定戦は、正規王者のビリー・ジョー・サンダース陣営がゲンナディ・ゴロフキンとの対戦交渉に難航し、とりあえず設けられた一戦のようです。
いわば、サンダースへの挑戦者決定戦のようなものでしょう。
そして、すでに7月8日にサンダースと対戦が決まっています。
村田諒太ならこのクルツィゼとどう戦うでしょうか。エンダムに負けていますから、村田の左ジャブで十分さばけるような気がします。
ただ、タフそうですから、倒すのは難しかもしれません。ボディがねらい目かな。