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ダビド・アバネシャン(ロシア)VSレイモンド・ピーターソン(アメリカ)
WBA世界ウェルター級タイトルマッチ(2017年2月18日)
(出典:WOWOW)
ダビド・アバネシャンはシェーン・モズリーに勝って、暫定王座の初防衛に成功しています。
そして、キース・サーマンがスーパー王者に昇格したのに伴い、正規王者に昇格しています。
24戦22勝11KO1敗1分け、28歳。
浜田さんが「もう少しパンチがあれば」というように、このクラスとしてはKO率が低いですね。
レイモンド・ピーターソンはダニー・ガルシアに僅差の判定で敗れ、その後復帰戦は勝利で飾ったものの、これが1年4か月ぶりの試合となります。
38戦34勝17KO3敗1分け、33歳。
こちらも浜田さんによれば「あと一歩の決め手があれば」ということです。
ロープの張りが緩すぎる
この試合で一番気になったのは、リングに張られたロープがあまりにも緩すぎることです。途中でアバネシャンがあわやリング外転落か、という場面がありました。
しかし、ピーターソンはこの緩いロープをうまく利用して、アバネシャンのパンチをかわしていました。
序盤は前に出てプレッシャーをかけるアバネシャンに対し、ピーターソンは長いジャブで応戦します。
右へ左へスイッチするアバネシャンに、最初はピーターソンも戸惑いを見せていましたが、アバネシャンのパンチの威力を見切ったピーターソンが、ボディブローを中心に、今度は逆に前に出てアバネシャンを押し返します。
押し勝ったピーターソン
この押し合いは、ピーターソンに軍配が上がりました。
アバネシャンは完全にパワー負けです。
しかし、ピーターソンも「ナイスボディ!」は放つものの、クリーンヒットは少なく、アバネシャンに決定的なダメージを与えることが出来ません。
(ナイスボディ!はヒットするが顔面へのパンチに正確性を欠く)
その後もパワフルなパンチでアバネシャンを圧倒し、押し負けたアバネシャンはなすすべなしの状態になっていきます。
倒しに行ったピーターソンだが決め手に欠く
後半からは完全にピーターソンがペースを握り、試合の興味はピーターソンがいつ倒すかに絞られてきました。
そして、11ラウンドにピーターソンが強引に攻勢をかけます。
中盤からあれだけ力任せにパンチを放っていたピーターソンですが、ホントにスタミナがありますね。
しかし、残念ながらアバネシャンを倒すには、今一つパンチのキレが足りません。
あと一歩まで追いつめますが、アバネシャンもチャンピオンの意地で、最後まで気持ちが切れずに持ちこたえました。
判定は3-0(115-113、116-112、116-112)で意外と差がついていませんでした。
前半のラウンドのほとんどがアバネシャンに流れたのでしょう。
ちなみに私は118-112。ラウンドごとの採点では違いがありましたが、トータルでは西岡さんと同じでした。
Sライトから上がってきたピーターソンですが、フィジカル面では十分ウェルター級で通用する思います。しかし、パンチのキレが今一つですね。
スター選手の多いこのクラスでは、地味な存在であることは否めません。
アバネシャンは身長171㎝と小柄で、このクラスではやはりパワー不足ですね。
話は大きくそれますが、村田諒太の世界戦はどうも難航しているようですね。
ハッサム・ヌダム・ヌジカム(フランス)とも開催地でもめているようで、正式に決定したわけではないようです。
ビリー・ジョー・サンダース(イギリス)と並行して交渉中とのこと。一体、どうなっているのでしょうね。