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ロバート・ゲレロ(アメリカ)VSダビド・ぺラルタ(アルゼンチン)
ウェルター級12回戦(2016年8月27日)
(出典:WOWOW)
この試合のオッズは33-1(70-1という情報もあります)と圧倒的にゲレロが有利の予想でした。
まあ、当然といえば当然なんです。
ゲレロはダニー・ガルシアに判定負けを喫していますが、4階級制覇王者で、まだWBC13位にランクしています。
一方のぺラルタは、なんと一旦ボクシングを辞め、タクシー運転手をしていたということなんです。これが1年3か月ぶりのリングです。
まあ、普通に考えれば、ゲレロに負ける要素は見当たりません。
ゲレロは40戦33勝18KO4敗1分け、2NC、33歳。
ぺラルタは28戦25勝14KO2敗1分け、33歳。
ゲレロは最後まで距離に苦しむ
リング上に対峙した二人を比べると、同じ階級とは思えないほど、ぺラルタが大きく見えました。
体格だけなら、ぺラルタの圧勝です。実にいい体格をしています。
ゲレロも動きはいつもと変わりない感じで、決して調子が悪そうには見えませんでしたが、ぺラルタはかなり懐が深く、しかもスピードがあります。
ゲレロの左ストレートが届きません。逆にぺラルタの右カウンターをもらい、序盤は劣勢に立たされます。
4ラウンドにゲレロがプレッシャーを強め、ようやく左がヒットしました。
ゲレロのパンチではこれがこの日の一番のビッグヒットでした。さすがにぺラルタもこれはダメージがあったようです。
ぺラルタも中盤までは、それほど手数が多いわけではなく、右カウンターを狙うだけの省エネボクシングで、ゲレロの攻勢を捌いていました。
しかし、9ラウンドに左右ストレートでゲレロをコーナーに飛ばし、ダウン寸前まで追い込むなど、終盤4ラウンドは完全にぺラルタがペースを握り、ゲレロはラウンドを重ねるほど消耗していきます。
(それほど効いたパンチではなかったかもしれませんが、これは完全にダウンでしょう)
判定は2-1(115-113、116-112、113ー115)
でしたが、私にはぺラルタの完勝に見えました。
とはいえ、このぺラルタも接近した時の右のガードが甘く、特に自分から攻めていったときに、ガードが甘くなる傾向があります。
それと、西岡さんが言うほど、パンチ力はないと思います。
サウスポー相手とはいえ、自分からボクシングを組み立てられない弱点がありますね。世界はとても無理でしょう。
ゲレロはこれで世界ランクから姿を消します。再浮上は難しいと思います。
アルフレド・ガングロアングロ(メキシコ)VSフレディ・エルナンデス(メキシコ)
Sミドル級10回戦
(出典:WOWOW)
アンダーカードにガングロアングロが登場しました。まだ、現役を続けていたんですね。しかもSミドル級ですか~
一方のエルナンデスも同じく1年ぶりの試合。
解説のお二人(飯田覚士さんと西岡利晃さん)が言うような「生き残りをかけた試合」というより、「すでに世界戦線から完全に離脱しもの同士の試合」という表現がふさわしいですね。
この試合に勝っても決して生き残れませんよ。
ガングロアングロが良かったのは中盤だけ
序盤はエルナンデスの軽いパンチがヒットし、ガングロアングロの大振りのパンチは空を切るだけで、ほとんどエルナンデスをとらえることが出来ませんでした。
ところが5ラウンドからガングロアングロがプレッシャーを強めると、エルナンデスの軽いパンチではさばき入れず、押され気味になります。
このまま、ガングロアングロが押し切るかと思われましたが、8ラウンドからエルナンデスが少しパンチを強く打ち出し、盛り返します。
同時にガングロアングロのスタミナも切れてきて、終盤はエルナンデスがペースを取り戻しました。
判定は3-0(98-92、97-93、97-93)。
ガングロアングロもエルナンデスもパンチにスピードがなさすぎます。
勝ったエルナンデスはパンチがあまりにも非力です。
さすがにもうこの二人をWOWOWで見ることは二度とないでしょうね。