目次
体調不良のローマン・ゴンザレス
ローマン・ゴンザレスVSマクウイリアムス・アローヨ(2016年4月23日)
(出典:WOWOW)
まず気になったのがロマゴンの円形脱毛症です。何かトラブルでもあったのでしょうか。
そして8ラウンド開始前の謎のドクターチェック。
8ラウンドのゴングが鳴るとすぐにレフリーが試合をストップし、ロマゴンのドクターチェックを要請しました。
早い回で倒すと予想していたのに7ラウンドが終わっても、アローヨにダメージすら与えることが出来ないロマゴンを見ていただけに、「なにか体調にトラブルでもあったのかな?まさかロマゴン、棄権?」
あんな辛そうなロマゴンの顔を見たのは初めてです。
ところが、何事もなく試合は再開されました。
ホッとしましたが、ロマゴンの体調が万全でないのは明らかです。
私はこの時、ロマゴンのまさかの初黒星が脳裏をよぎりました。
結局、終始攻め続けたロマゴンが大差の判定で勝ったのですが、この試合、一言でいうと「ロマゴンは体が重くてパンチが軽い」。
この日のロマゴンでしたら、井上尚弥なら倒していたかもしれません。ひょっとしたら、井岡一翔でもさばけたかもしれませんよ。
パウンドフォーパウンド1位はゴロフキン
ゲンナディ・ゴロフキンVSドミニク・ウェイド
ゴロフキンは絶好調でした。
2分過ぎには、ウェイドの顔から余裕の表情が消えていました。
リーチの長いウェイドの懐にいとも簡単に入り込み、1ラウンドに早くもダウンを奪いました。
左ジャブから左アッパー。このアッパーが効きましたね。
(パンチ力ももちろんですが、きっちりジャブから入る基本のスキルは完璧です)
(別の角度から。左の使い方は本当にうまいですね)
2ラウンド、フィニッシュの右ストレートはジャストミート。このパンチも左ジャブで距離を測ってからのワンツーパンチです。
(これをもらったら立てないでしょう)
ゴロフキンのこの日快勝でパウンドフォーパウンド1位の座は交代するでしょう。
万全の体調でサウル・アルバレスと対戦したら、負けるころとはないでしょう。
カネロの唯一の突破口はボディブローですね。これが決まれば展開はわからなくなりますよ。
ペドロ・デュラン(アメリカ)VSペドロ・ロペス(メキシコ)
Sフェザー級8回戦
(出典:WOWOW)
ロマゴンとゴロフキンのアンダーカードです。
お互い175㎝の長身ですが、リーチの長いデュランの方が背が高く見えます。
ペドロ・デュランは13戦全勝10KO、22歳。
ペドロ・ロペスは13戦9勝1KO2敗2分。
両者ともきびきびした動きで、パンチのスピードもなかなかのものです。
デュランはガードが低いのが欠点ですね。不用意にロペスのパンチを被弾します。
しかし、決定的に違うのはパンチ力でした。
1ラウンドの終了間際に放った右ストレートで早くもロペスがダウンしました。
(この右は威力があります)
2ラウンドのダウンは、デュランの身体能力の高さを見せ付けました。
ロープ際で体を入れ替えたデュランが振り返りざま、体制を崩し無防備のロペスに右ストレートをヒットし2度目のダウンを奪いました。
身のこなし、目の良さ、反射神経の差がはっきり出たようなダウンでしたね。
ジョー小泉さんが「ホルヘ・リナレスが得意とするパンチですね」。
私もこの振り返りざま、狙いすましたパンチを打ちこむリナレスを見た記憶があります。
結局、4ラウンド終了で、ロペスが棄権を申し出て、デュランのTKO勝ちとなりました。
デュランの素質はかなり高いとは思いますが、ガードの低いディフェンスはいただけませんね。