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テレンス・クロフォード(アメリカ)VSヘンリー・ランディ(アメリカ)
WBO世界Sライト級タイトルマッチ(2016年2月27日)
(出典:WOWOW)
高柳さんに「さぁ浜田さん、この一戦、いつものように一言いただけますか?」と聞かれた浜田剛史さんは「強さでクロフォード、うまさでクロフォード」。
なんじゃそりゃ~
しかし、浜田さんがそう言うのもごもっともな話です。
Sライト級の4人の世界チャンピオンの中では、ダントツに強いのは間違いなくクロフォードでしょうから。
スイッチヒッターの強みを生かして、相手の嫌がるスタイルで戦えるクロフォードは何とも厄介なボクサーです。
27戦全勝19KO、28歳。身長173㎝ですが、170㎝のランディよりかなり大きく見えます。
対するランディはWBO10位。32戦26勝13KO5敗1分、32歳。なんとなく顔がボブ・サップに似てますね。
思ったよりスピードのあるランディ
どちらもスイッチヒッターですが、とりあえずオーソドックスでスタートしたものの、すぐにクロフォードの方はサウスポーにスイッチしました。
オーソドックススタイルのままのランディのパンチは意外とスピードがあり、しかも思い切って振り回してきます。
珍しくこの乱打戦にかき回されたクロフォードは、ランディのパンチを何発かもらいました。
(ランディのかく乱戦法で被弾するクロフォード)
気のせいかもしれませんが、クロフォードは1ラウンドに多少もたつく癖がありますね。
しかし、2ラウンドに入ると、もうクロフォードは自分の距離をキープし、相手のパンチを見切ったようです。
パンチ力の差が歴然としている
それでもクロフォードは決して強引に攻めていきません。用心深いですね。
3~4ラウンドは右ジャブで様子を見て、相手の戦力を測っているようでした。
(文句なしのワンツーパンチ。これが打てれば怖いものなしです)
そして5ラウンド。右ジャブから会心の左ストレートをヒットすると、ランディは大きくぐらつきました。ほぼこのパンチで決まったようなものでしたが、クロフォードの容赦ない追撃にランディはあえなくダウン。
(このダウンでもうランディには戦力はほとんど残っていませんでした)
ランディは一応立ってきましたが、足元はおぼつきません。
再開後はクロフォードのラフな滅多打ちで、クリーンヒットはほとんどなかったものの、防戦一方になったランディを見てレフリーがストップしました。1回目のダウンで止めてもよかったですね。
この日のクロフォードは、会心のワンツーストレート以外は今一つパンチの精度が悪かったような気がします。
(ストップのタイミングを計るレフリーの目が怖い)
さて、 強さもうまさも「ぴか一」のクロフォードは、この後どうするのでしょうか。
元WBO王者のルスラン・プロポドニコフ、WBC王者のビクトル・ポストル、WBAのエイドリアン・ブローナーの名前が挙がっているようですが、いずれも役者不足は否めません。
日本のSライト級の両雄はどうでしょう。
私は岡田博喜の方が小原佳太より素質は上だと思っていますが、クロフォードとやるなら、小原の方が面白そうです。
最近のクロフォードはオーソドックスで戦うのは1ラウンド途中まで。後はほとんどサウスポースタイルです。だからチャンスはこの少し迷いのある1ラウンドだけです。
クロフォードはガチャガチャした乱打戦が苦手のようですので、倒される覚悟で初回から振り回していけば、ひょっとしたら…。