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絶品の右ホールド ビクトール・ポストル
WBC世界Sライト級王座決定戦(2015年10月3日)
ルーカス・マティセ(アルゼンチン)VSビクトール・ポストル(ウクライナ)
(出典:WOWOW)
ダニー・ガルシアがやっと返上したタイトルをアルゼンチンのハードヒッター、マティセと無敗のポストルが決定戦で対決しました。
ポストルはパッと見た感じ、ウラジミール・クリチコに雰囲気がよく似ています。
しかし27勝11KOの戦績からは、クリチコほどのパンチはなさそうです。
(出典:WOWOW)
マティセは何度目の世界戦でしょうか。暫定王者までで止まっています。なかなか正規王座に手が届きません。これが最後のチャンスかもしれません。
やりにくいポストル
明らかにマティセはやりにくそうで、ポストルは180㎝の長身を生かした長いジャブ、マティセが接近した時はクリンチで、マティセにボクシングをさせません。
しかもマティセの単調な攻めを読まれているようで、ほとんどマティセのパンチが当たりません。
ポストルは、特にうまいという感じはしませんし、ステップはぎこちないし、コツコツ打つパンチにスピードも威力も感じられません。
ただ、長身の割にがっちりしており、マティセより一回り大きく感じますので、まるでクリチコみたいな威圧感があります。
マティセらしさは2ラウンドだけ
6回にようやくマティセのパンチがヒットし、7回にはポストルの足をガクッとさせるなど、マティセらしさを見せましたが、ペースは依然、ポストルが握っていました。
しかし、マティセのパンチがヒットしたのは2ラウンドで3発だけ。
8回からマティセは明らかに失速し、ポストルが完全に試合をコントロール。
あきらめたマティセ
いくらパンチ力のないポストルのパンチでも、カウンターがジャストミートすれば、ダウンを奪えます。
しかもこのパンチがマティセの目に入りました。
(出典:WOWOW) 無造作に前に出たマティセにポストルのカウンターがジャストミート
解説の浜田剛史さんが「マティセ、あきらめましたかな」という通り、ダメージはあるものの、立てないほどではないように見えました。
しきりに目を気にしていたようですから、そのあたりのダメージを考えてギブアップしたのでしょう。
この試合で目立ったのは、ポストルの右ホールドの巧みさと、マティセのラビットパンチですね。厳しいレフリーなら減点を取られても仕方がないような反則技です。
この新チャンピオン、やりにくそうです
アミール・イマムやルスラン・プロポドニコフでも、そう簡単に攻略できそうな気がしません。
イマムの記事はこちら ↓
プロポドニコフの記事はこちら ↓
両選手はいずれもWBCの上位にランクされていますので、何とかこのクリンチマンをKOしてほしいですね。