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4団体統一世界S・バンタム級タイトルマッチ(2024年5月6日)
井上尚弥(大橋)VSルイス・ネリ(メキシコ)
両選手のプロフィール
井上尚弥(大橋)4団体統一世界S・バンタム級王者
26戦全勝23KO、30歳 オーソドックス
身長 165cm リーチ 171cm
「わしボク」は日本人ボクサーとしては、史上最強だと思います。50年以上ボクシングを観てきましたが、こんな強い日本人ボクサーは記憶にありません。「わしボク」が生きている間に、井上に匹敵するボクサーが現れることはないと断言できます。
2018年にジェイミー・マグドネルに圧勝し3階級制覇を達成してから、ドネア戦以外はすべてKO勝ち。そして、2022年6月7日にWBC王者のノニト・ドネアと再戦し、2RTKOで3団体統一王座を獲得しました。
2023年7月にはS・バンタム級に階級を上げ、苦戦が予想された2団体統一王者のフルトンに圧勝しました。さらに2023年12月、2団体統一王者のマーロン・タパレスに10RKO勝ちで4団体統一王者となりました。
ルイス・ネリ(メキシコ)WBA5位・WBC1位・WBO2位
36戦35勝27KO1敗、29歳 サウスポー
身長 165センチ リーチ 169センチ
日本のボクシングファンにはおなじみの選手です。山中慎介さんを引退に追いやった選手ですが、その2勝は、いずれも禁止薬物疑惑と体重オーバーといういわくつきの勝利です。その結果、日本では「悪童」という呼ばれ方をされるようになりました。(本来のニックネームは「パンテラ(豹)」です。)とはいえ、元2階級制覇王者ですから、実力があることは間違いありません。しかし、2021年5月にブランドン・フィゲロアと王座統一戦(WBA・WBC世界S・バンタム級)を行い、まさかの7RKO負けで初黒星を喫するとともに、王座から陥落しました。約8か月ぶりの再起戦では、無敗のカルロス・カストロに2-1の微妙な判定で何とか勝利しました。その後3連続KO勝利で、S・バンタムでも本来のパワーを発揮するようになってきました。
朝日新聞ではネリは「ブラジル」となっていましたが、「メキシコ」が正解です。
展開予想
大方のボクシングファンは、ネリの強さを認めながらも、井上が左ボディで倒すだろうと予想しているでしょうね。ネリの唯一の黒星が、フィゲロアのボディブローによるものですから、ボディが弱点だと思うのは当然です。ネリはサウスポーですが、井上はサウスポーを全く苦にしません。12ラウンドもあれば、井上の左ボディブローが後半にはヒットするでしょうね。
だだ、気になるのは、井上側が「ネリが体重オーバーしたら試合をしない」と言っていることです。東京ドームで、井上の試合がキャンセルになったら大変でしょうね。
WBO世界バンタム級タイトルマッチ(2024年5月6日)
ジェイソン・マロニー(オーストラリア)VS武居由樹(大橋)
ジェイソン・マロニー(オーストラリア)WBO世界バンタム級王者
29戦27勝19KO2敗、33歳 オーソドックス
身長 165センチ リーチ 170センチ
2018年5月に河野公平に6RTKO勝ちしましたが、2018年10月に、IBF王者のエマヌエル・ロドリゲスに挑戦し判定負けしました。そして、2020年10月、ラスベガスでWBA&IBF世界バンタム級王者の井上尚弥に挑戦し、7RKO負けを喫しました。その後は3連勝して、再び世界戦線に浮上してきました。2022年10月にナワポーン・ソールンビサイに判定勝ちして、WBCの挑戦権を獲得しました。その後紆余曲折があり、2023年5月にビンセント・アストロラビオとWBOバンタム級王座決定戦を行い、拳を痛めながらも僅差でタイトルを獲得しました。2024年1月に初防衛に成功しています。
武居由樹(大橋)WBO10位
8戦全勝8KO、27歳 オーソドックス
身長 170センチ リーチ 173センチ
キックボクシングから転向し、2021年3月にボクシングデビューしました。2022年8月には早くもOPBF・Sバンタム級タイトルを獲得しました。1度防衛しタイトルを返上。しかし、まさかこんなに早く世界戦が実現するとは思ってもいませんでした。
展開予想
今のマロニーは井上と対戦したころと比べると、明らかにピークを過ぎています。ただ、長い間世界戦線の上位で戦って生きたキャリは侮れません。一方の武居は戦績は立派ですが、名のある強豪との対戦がありません。とはいえ、マロニーに怖さは感じませんね。そして、武居のキック出身のもつ独特の間合い、踏み込みのスピードには、マロニーも戸惑うでしょう。勝てるチャンスは十分にあると思います。
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
井上拓真(大橋)VS石田匠(井岡)
両選手のプロフィール
井上拓真(大橋)WBA世界バンタム級王者
20戦19勝5KO1敗、28歳 オーソドックス
身長 164cm リーチ 163cm
2013年にプロデビューしました。2018年12月にCPフレッシュマートとWBC暫定世界バンタム級王座決定戦を行い、判定で王座を獲得。しかし、翌年11月にノルディーヌ・ウバーリに大差の判定負けで王座陥落、初黒星を喫しました。2023年4月にリボリオ・ソリスとWBAバンタム級王座決定戦を行い、判定でタイトルを獲得しました。2024年2月にジェルイン・アンカハスに9RKO勝ちで初防衛に成功。
石田匠(井岡)WBA1位
37戦34勝17KO3敗、32歳 オーソドックス
身長 173センチ リーチ 177センチ
2017年10月、WBA王者のカリド・ヤファイに挑戦し、判定で敗れ王座獲得に失敗しました。2021年12月に田中恒成に判定負けしてからは、5連勝中です。
展開予想
井上が石田の長い距離をつぶせば、スピードとテクニックに勝る拓真が判定で2度目の防衛を果たすでしょう。
WBA世界フライ級タイトルマッチ
ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)VS桑原拓(大橋)
両選手のプロフィール
ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)WBA世界フライ級王者
22戦19勝11KO2敗1分け、28歳 オーソドックス
身長 167センチ リーチ 170センチ
2015年の全日本ライトフライ級新人王ですが、この時の「わしボク」評価はあまり高くなく、相手の細谷が勝っていたようなコメントを残しています。2017年に中谷潤人と対戦し6RTKO負けでプロ初黒星を喫しました。しかし、2018年4月には矢吹道正に1ラウンドTKOで再起戦を飾っています。2019年10月に小坂駿と日本フライ級王座決定戦を行い、1RTKO勝ちで日本タイトルを獲得しました。このタイトルは3度防衛に成功しています。いまや、各団体の世界ランキングに名を連ね、特にWBAでは1位にラインされています。11KOのうち実に1ラウンドKOが9回とフライ級では屈指のハードヒッターです。2023年2月の世界前哨戦では無敗の世界ランカーのジェイソン・パイソンに大差の判定勝ち。2024年1月に無敗の王者、アムテル・ダラキアンに判定勝ちして王座を獲得しました。
桑原拓(大橋)WBA3位
14戦13勝8KO1敗、29歳 オーソドックス
身長 164センチ リーチ 164センチ
2021年7月に日本王者のユーリ阿久井に挑戦し、10RTKO負け。初黒星を喫しました。2022年10月にOPBF王座を獲得し、初防衛に成功しています。
展開予想
ユーリのフィジカルの強さを、桑原がどう攻略するかですね。初回に対戦したころより、桑原はパンチが強くなっているような気がします。いずれにしてもKO決着を期待したいですね。