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(出典:WOWOW)
WBAスーパー世界ライトヘビー級タイトルマッチ(2022年5月7日)
ドミトリー・ビボル(ロシア)VSサウル・アルバレス(メキシコ)
両選手のプロフィール
ドミトリー・ビボル(ロシア)*WBAスーパー世界ライトヘビー級王者
*WBAには各階級に2人の世界チャンピオンがいます。スーパーチャンピオンと正規チャンピオンです。ライヘビー級の正規王座は現在空位です。
19戦全勝11KO、31歳 オーソドックススタイル
身長 183cm リーチ 183cm
2016年にWBA暫定世界ライトヘビー級タイトルを獲得し、その後正規王者に昇格し、10度の防衛に成功した現在は、スーパー王者に昇格しています(この団体が何を基準にスーパー王者にしているかは不明です、ちなみに村田諒太もスーパー王者でした)。だだ、最近6試合はすべて判定決着で、すっかり技巧派ボクサーというスタイルが定着しています。
サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)4団体統一世界S・ミドル級王者
60戦57勝39KO1敗2分け、31歳 オーソドックススタイル
身長 173cm リーチ 179cm
2011年にWBC世界S・ウェルター級タイトルを獲得し、6度防衛後、フロイド・メイウェザーとの王座統一戦で判定負けしたのが、唯一の黒星です。その後のカネロの対戦相手は、ボクシングファンならだれもが知っているボクサーばかりです。ミゲール・コット、ゴロフキンなど名前を上げたらきりがないほどです。そして、2019年にはライトヘビー級WBO王者のセルゲイ・コバレフにKO勝ちして、タイトルを獲得しました。その後、またカラム・スミスに判定勝ちして、S・ミドル級の世界タイトルを獲得、2021年にはケイレブ・プラントに勝って4団体統一王座を獲得しました。
展開予想
お互いディフェンスのテクニックは超一流です。おそらく、クリーンヒットがほとんどないラウンドが、判で押したように続き、12ラウンドを終えるでしょう。しかし、対戦相手の質が違いますから、カネロの勝利は間違いないと思います。凡戦の末、カネロの判定勝ちとなるでしょうね。
実につまらない試合になることは、「わしボク」が保証します。ただ、カネロは直近3試合、KO勝ちが続いていますので、そこにわずかな期待を持つしかないですね。
試合展開
序盤はカネロが攻勢
序盤はカネロが左右のフックを叩き込み、特に右フックはメキシカン特有の独特の角度のフックです。しかし、いずれもビボルの堅いガードに阻まれ、ほとんどクリーンヒットはありません。ビボルも序盤は、左ジャブを突きながら、ガードを固め、軽いパンチで様子を見ていました。
中盤から一進一退の攻防
中盤から、お互いの手数が徐々に増え、特にビボルの右は序盤よりかなり強めに放って来ました。カネロは相変わらず、右フックをねじ込み、時折アッパーを突きあげますが、ピンポイントで捉えることはできません。この後は、一進一退の攻防が続きますが、お互い、クリーンヒットはほとんどありません。各ラウンド前半はカネロが前に出て攻勢をかけますが、ラウンド後半は、ビボルがワンツーで反撃に転じます。
終盤はカネロお疲れ?
カネロがロープにもたれて、少し休憩しているようなシーンが多くなります。かといってビボルもカウンターを警戒して、強引に攻めこむことはありません。しかし、この頃からビボルのパンチがクリーンヒットし出します。カネロは得意のボディワークで、パンチを殺していますが、見栄えは悪いですね。でも、明らかに終盤は、ビボルの手数が上回っていました。
決定打なく、退屈な12ラウンドが終わり、予想通り判定決着となりました。
採点は3-0(ジャッジ3者とも115-113)でビボルが11度目の防衛に成功しました。カネロは、2013年9月にフロイド・メイウェザーに負けて以来、実に9年ぶりの敗戦となりました。
恐らく、カネロが、この後予定しているゴロフキン戦は白紙になると思います。ビボルもカネロというビッグネームに勝ったとはいえ、こんな塩試合では人気は上がらないでしょう。